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シャネルを復活に導いたカール•ラガーフェルドの「人」に迫るお話です。
もっとファッションによった話かと思っていましたが、カールの人生における哲学、仕事に対する姿勢がとてもよく伝わる話でした。
オープニングのカールの部屋…積み上げられた書籍など物に溢れた部屋から始まり、その日につけるアクセサリーをこれまた山盛りのアクセサリーの中からチョイスする。このオープニングからこの映画がファッションを語るものではなく、カールの人としての素顔をみせるものであることに気づきました。その後はカールをひたすら追いかけ、人生哲学から仕事への情熱、性に関する話まで赤裸々に語られて行くわけですが、とにかくこの人すごい!!そしてその語録も珠玉の言葉ばかり…
「ファッションの仕事は社会的正義とは無縁で、不公平なことが当たり前。それが嫌なら仕事を変えればいい」
「がむしゃらに働くよりさりげなさが大切。努力を吹聴するなんて迷惑だ」
「古きよき時代などない。昔は別によくないし、どうでもいい。絶えず変化をし続けて時代に順応しなくてはならない。エレガンスの概念は常に変わって行くものだ」
それぞれの言葉が、自分の仕事に対する姿勢に本当に強く響きました。天才って本当に自分に真摯で言っていることに嘘がないんだな
ぁ…とおもったり、
「何十年一緒にやってきた仲間でも、ブランドを守るためにその仲間を躊躇なく切り捨てることができる」
というような発言には、カールのブランドをやって行く上での厳しさが感じられ、その上でそこで働く人達もその厳しさの中で働いており、だからこそシャネルというブランドはトレンドを毎シーズン「シャネル」という姿を保ちながらリリースし続けているのだなぁと感じたり…ファッションに少しでも携わっている人なら感じることの多い映画だったとおもいます。
それと、個人的に印象にのこったのは、シャネル復活をたくされたカールは当時きっと、再生させる自身があったからやったのだと思うけど、そのこと自体がすごいな…と。
ちょうどINSIDE CHANELをみた後で、そのカールの章で、カールがシャネルという人についてかたり、自分があたかもそのシャネルを引き継いで行くことが当たり前であるかのような語り口が印象的だっただけに、死んだシャネルを蘇らせることは、彼には天命であり、ごく自然な仕事だったんだなぁ。
あと、カールがデザイン画を描くシーンがとてもワクワクしました。そして、そのデザイン画がまたすばらしい!欲しい!!
ファッションに全く興味がない人でも彼の人生哲学や、その姿勢は少なからず熱になると思います。
DVDがでたら買わねば!!