トランスのレビュー・感想・評価
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恐怖と興奮
まず、なぜ評価があまり高くないのか?
ということが引っかかる。
個人的には頭の中が掻き回されるような物語性、映像表現、音楽すごく良かった
「絵画を探す」というただ単純な映画では無い。
場面が変わり続け、「足元」がわからなくなり
「不安」が襲い、その不安を交わそうとこちら側は推理をする
その推理がさらに「不安」を掻き立て
この映画はさらに加速度を増し
一気に「恐怖」のどん底へ落とされる。
明るい曲や美しい曲が使われているがそのことがさらにこの映画を掴みどころのない映画にし
渦に飲み込まれたような感覚にさせ
最後まで飲み込まれ、この渦から脱出しようと足掻けば足掻くほどこの映画の罠にかかり「恐怖」の渦に飲まれて行く。
それを、素晴らしい「渦」だと思うのか。
釈然としない「渦」がつまらないと思うのかは人それぞれ。
マカヴォイは好きな俳優ではあるが彼の作品の中でトランス
の演技は素晴らしかった。
サイモンは「喜怒哀楽」がよく表にでる人物
そのことが「可哀想」となる。だがその子供のような素振り
はだんだんと「狂気」に思えてくる
そのような掴めない人物を見事に演じていた
主人公は誰なのか?
冒頭の始まりからしても、ジェームズ・マカヴォイというキャスティングからしても、このストーリーの主人公は彼が演じるサイモンだと信じて疑わない観客が大半だろう。
これは“奪われた名画は何処に?”というサスペンスだと。
しかし、催眠療法の医師エリザベスがこの事件に関わってきた辺りから、疑問が生じ始める。
記憶を失くしたサイモンよりも彼女の言動の方が謎めいているからだ。
彼女の狙いは何なのか?
オスカー監督となっても、尚意欲的に新たな作品を手掛けるダニー・ボイルの姿勢は素晴らしいが、今作では些か観客を煙に巻き過ぎた、ミスリードが過ぎたように感じる。
真相をすべて彼女に語らせるのは、安易だし(二時間ドラマの崖っぷちのシーンを思い出す)、それまでの疑問がすべてが腑に落ちる気持ちよさよりも、バラバラのパズルを無理矢理嵌め込んだような割り切れなさの方が大きい。
ダニー・ボイルは監督デビュー作である『シャロウ・グレイブ』の後にこの脚本を受け取っていたそうだが、当時は映像化は難しいと撮影には至らなかったとのこと。
主役の交代(誰が主人公なのかというミスリード)というアイディア自体は面白いが、それをどう見せるかというハードルは高かったのかもしれない。
DVDなどで二度見をおすすめします。
はじめに。
私は一回目は字幕でさらっと見て、二回目は吹き替えで気になったところだけ観たんですけど、この話については劇場で観るよりは見返しの利くDVDがおすすめです。
(字幕だと暗に意味深で、吹き替えだと内容的にわかりやすかった気がする。どちらで見てもいいけど、理解しやすいのは吹き替えかもしれません。)
まず、とても一回目観ただけでは頭の中を整理できない…。
ゴヤの『魔女たちの飛翔』がオークション会場から強奪された事件に端を発する話。
序盤から主人公が語り手として登場する時点で、まず観るものは主人公サイモンを疑うし、〝なんだかこの話は二転三転しそうだぞっていう〟もんです。
しかし、それすらも計算のうちなんだね。
サイモン、彼の借金を肩代わりしてくれた知的犯罪者のボス フランク、彼が犯罪者だと知った上で協力を申し出てくる心理療法士エリザベス。
…話が進むにつれ、絵画の行方というよりサイモンの記憶の中や心理世界に比重が置かれてきて、現実なのか?仮想世界のことなのか?観ている側は大混乱です。
絵画の行方も3人のうちで一番腹黒いのは誰なのかも探るけど、男女の関係も絡んで着地だきるのか?…と心配になる。
結果から言えば、着地するし、映像に惑わされるけど、実はそんなに複雑なものでもない。
結局は男女のもつれから来る復讐劇というべきか…。
しかし…現実はどんなに有能な心理療法士でもそんなことまでできないだろう〜!
(たとえサイモンが希少な5%の暗示が残るタイプの人間だったとしても)
…と、ゆーかそこまで出来るとしたら怖すぎる。
万能心理療法士エリザベスの一人勝ちや意外といい人なフランクとのその後の関係を観るものに委ねる最後は良かったけど、主人公なのに見終わったあとのサイモンへの感想と言えば…『サイモン、最低だな…』と、これに尽きる。
(見終わったあと、エリザベスやフランクに味方する人が多いのではなかろうか?)
しかし…腑に落ちない点もいくつか残った…。
赤いアルマーニに惹かれる直前、あんなにタイミングよくメールが来るなんて…?
いつ絵画を盗むかもわからないのに、どこかでずっと見ていたのか?
または、記憶を失わなかった場合、どうやって絵画を受け取るつもりだったの?
…うーん、うーん。
しかし、劇中の『人は記憶を糸のように繋げて自己を保っている』っていうあの一言に尽きるな。
あなたが思っている現実が、他の人が記憶しているものと同じとは限らない。
そして、それが本物なのかも…。
それを視覚化したのがあの混乱を極めた美しい映像なんだろう。
くしくも、盗んだ絵画はサイモンの愛する聖なる昔ながらの絵画ではなく、近代絵画の先駆けゴヤのもの。そして『魔女たちの飛翔』ときたもんだ。
冒頭のレンブラントのように、劇中の主役こそ、全体像を拝めないとは…皮肉にも無駄がない。
腑に落ちない細かいところはある分星三つですが、二度見の価値は十分にあります。
今回の役的にはひたすら依存症の駄目男だけど、好青年も振り切れた悪い顔もできるジェームズ・マカヴォイ、もっといろんな役で見てみたいもんです。
途中ヒヤヒヤしたが。。
この手の作品にありがちだが、細部があやしいな、、と感じた。
途中、大丈夫か?と心配になったが、最後の展開が、その心配を補い、かつ上回ったので、結果よかったと思える。
インセプションほどのアイデアも、複雑さも無い。
どんどんキャラ崩れして可愛くなる、フランクに笑えてくる。
映像と音楽は申し分ない。
DVDで観るべし。
何重にも空想現実が混ざり過ぎる。
この手の映画ってオシャレ感はあるが何重にも混ざっちゃうと気持ちがなんでも有りって感覚になってしまって感情が入りこめなくなる。音楽は素晴らしい。映画には合ってないけど。取り合えずこの映画はDVDで何回か観ないけない映画です。
頭がグワングワンする作品。
サイモンの現実と記憶が入り混じる本作。
話が進むにつれて画面上の出来事が現実か虚実かが曖昧に。
今、起きていることは現実?虚実?虚実に見せかけた現実???
記憶や仮想世界といった『信頼できない語り手』が描く話は最後まで展開が読めず楽しめました。
ですが、この手の話は構造的な弱点があることも改めて感じました。
仮想世界と現実を行き来する話。
境界を曖昧にすることで展開を読み難くして衝撃の展開に持ち込み易い利点はあります。
一方で最早何でもアリという観客の置いてけ堀が出てくる欠点も。
今まで一生懸命読み解こうとしてきた話が無しなるなんて等、著しくリアリティラインが低くなるケースもチラホラ。
そのため話が納得する形で成立される「バランス」感は中々難しいように思われます。
その観点で本作を観てみると細部が結構甘め。
現実で起こっている事象を頭の中で整理してみても中盤以降の展開は呑み込み難い。
特に、男女関係の話。
個人的な希望としては現在のラストを踏まえた上であの登場人物が催眠療法士に治療を受けている、という形で改めて引っ繰り返してもらえれば更に面白かったような気がしますが。。
それはそれで台無し感があったやもしれません。
作品に翻弄され続けたい方。
オススメです。
何回か見ないと
ダニー・ボイル監督何かやらかしてくれると思いながら彼の作品は鑑賞します。
音楽のサウンドが何とも言えなく耳にすう~っと入ってくる。そしてスピード感がたまらなく、謎が深まるほど引き込まれる。真実は何か?考えるほど引き込まれる映画でした。
催眠術という伏線を引きやすい感じのキーワードをうまく操っていました。最後の最後まで展開がわからないそんな感じでしたが、自分の理解能力が悪いのかもしれませんが、最後ちょっとわかりにくかったかなという気がしました。
何度も見るとわかってくると思うのでなんども見たいと感じました。
トランス
結構おもしろかったです。
とり歩かっている題材を誇張して描いていないところが
やるな。
って思いました。
子供は見ちゃいけないことになっています。
その、問題のシーンは、ワ〇メちゃんが生々しいと思いました。
ルネサンスの芸術作品にはワ〇メちゃんは描かれてないでしょうに。
とてもそれっぽい曲がバックに流れているので子供か見たらさぞかし興奮するでしょう。
主要登場人物の人間関係や、気持ちの移り変わりが非常にうまく描けていると思いました。
そのお蔭でラストシーンがうまく決まってると思います。
英語は英語字幕みながら結構聞き取れました。
トーイック700点以上の人なら良い教材になると思います。
過激なエロスにも意味がある
よく調べずに観たので、イメージではインセプションのようなSFチックな話かと思ってたら、普通にサスペンスでした。
この監督の光や色彩を駆使したスタイリッシュな演出は流石ですね。
音楽の使い方も相変わらず上手い。毎回サントラが欲しくなります。
なかなか先が読めませんでした。「絶対この女裏切るか、グルだわ」と思ってたんですが、それ以前の問題だったんですね。
あんな切ない話だとは思いませんでした。
そしてあのフルヌードにも意味があるとは…映画において意味のない場合のああいった描写(無駄に過激なエロ)は基本嫌いなんですが、これに関しては主人公が特異だというサイコな部分を強調するために重要なシーンだと思います。何より伏線になっていますし。
全編通してかっこいい雰囲気が漂っていて、特に銃を撃つマカヴォイがめっちゃかっこよかったので、ラストシーンもビシッとキメてくれたら文句なしでした。なんか爽やかな感じで終わっちゃったんで、ちょっともったいないなあという印象です。
催眠術って万能なんだね。怖いわー(笑)
イギリス映画
ヴァンサンカッセル。普通じゃないの頃のダニーボイルを思い出させる佳作。イギリス映画はろくなもんじゃないが、流石にダニーボイルは見やすい。砕ける頭、パイパン、腐乱死体。まぁ黒人女性の見事な身体つきが一番強烈なんだが。レフンのバイオレント描写に似てる。ただレンブラントとか絵の要素が薄くてもったいない。
チョット得した感じ♡^^
ダニー・ボイドだなぁ。
スタイリッシュな映像。
ただ、流石に臭うだろ?とか、捜索願がでてて直ぐ発見されない?とか^^;
で、あれは、ボカせないよね♡
大事なポイントだもんね^^
敢えて、挑戦したか?ダニー・ボイド^^
格好良い
ダニーボイルなのでいつも通り映像も音楽も格好良い。どこを切り取ってもポストカードになりそうだ。中盤これは難解になりそうだぞと思ったけど、終盤はしっかり説明も入ってスピード感もグッと上がり、何と言ってもオチがオシャレで格好良い。
全てが一つに繋がる
美術品のオークションの警備担当であるサイモンが、美術品を隠した場所を強盗に思い出させられるというお話。
その思い出させられる過程にある女性の催眠療法を使うのだが、主人公の記憶が思い出されていくにつれて…
途中まで普通に催眠術で思い出させられ、女性と恋に落ちてどっか逃げるくらいに思っていたので結末は非常にびっくりした。
良く出来た物語でした。
終わってみたら無駄シーンがなかった
信じられるのは自分だけ。
でも自分も信用できない。
記憶が信用できないとなにが本当なのかさっぱりわからない。
少しずつ少しずつあきらかになっていく真相は、断片が埋まるたびに違う姿を見せる。
無駄のない展開、無駄のない演出、無駄のない小道具。
なんだこの無駄シーン、とか思ったのに、最後までみたら無駄シーンなんかありませんでしたという脚本の緻密さ。
こういうの好きなはずなんだけどなぁ。なぜかのりきれない感じがしたのはなぜだろう。
泥臭いキャラクター、泥臭い思考、泥臭い行動に対して、脚本が美しすぎるのかもしれない。
誰にも感情移入できなかったからかも。
緻密なミステリやサイドエフェクトが良かった人にはいいと思う。
映画「トランス」
一回見ただけではストーリーがよくわからなかったが感想です。何回か見ればより楽しめる映画なのでしょう。もしこの映画のような事が現実に行われたらとても怖い事です。セラピストはある意味、最も怖い職業ということ実感した映画でした。
コレぞダニー・ボイル!
ディス・イズ・ダニー・ボイル!!
な、大満足の一本でした。
何処かに陰を含んだ役者陣の演技の妙!
夢か現か、観客を煙に巻く演出&音使いの妙と、お馴染みの光の演出のキレ!
何より話が面白い!!!
「ソーシャルネットワーク」に並ぶ、ラストシーンの後味も最高です。
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