劇場公開日 2013年10月11日

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「頭がグワングワンする作品。」トランス Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5頭がグワングワンする作品。

2014年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

サイモンの現実と記憶が入り混じる本作。
話が進むにつれて画面上の出来事が現実か虚実かが曖昧に。
今、起きていることは現実?虚実?虚実に見せかけた現実???
記憶や仮想世界といった『信頼できない語り手』が描く話は最後まで展開が読めず楽しめました。

ですが、この手の話は構造的な弱点があることも改めて感じました。

仮想世界と現実を行き来する話。
境界を曖昧にすることで展開を読み難くして衝撃の展開に持ち込み易い利点はあります。
一方で最早何でもアリという観客の置いてけ堀が出てくる欠点も。
今まで一生懸命読み解こうとしてきた話が無しなるなんて等、著しくリアリティラインが低くなるケースもチラホラ。
そのため話が納得する形で成立される「バランス」感は中々難しいように思われます。

その観点で本作を観てみると細部が結構甘め。
現実で起こっている事象を頭の中で整理してみても中盤以降の展開は呑み込み難い。
特に、男女関係の話。

個人的な希望としては現在のラストを踏まえた上であの登場人物が催眠療法士に治療を受けている、という形で改めて引っ繰り返してもらえれば更に面白かったような気がしますが。。
それはそれで台無し感があったやもしれません。

作品に翻弄され続けたい方。
オススメです。

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Opportunity Cost