キャプテンハーロック
劇場公開日 2013年9月7日
解説
松本零士原作で1978~79年にTV放送されたアニメ「宇宙海賊キャプテンハーロック」を、総製作費3000万ドルをかけて新たに描くフルCGアニメーション。「APPLESEED アップルシード」の荒牧伸志が監督、「亡国のイージス」「機動戦士ガンダムUC」の福井晴敏が脚本を手がける。宇宙全域に散らばった人類が地球帰還をめぐって争った「カム・ホーム戦争」から100年後の世界。元宇宙艦隊大佐で現在は広域指名手配犯として恐れられる宇宙海賊キャプテンハーロックを暗殺せよとの密命を帯びた青年ヤマは、ハーロックが駆る宇宙海賊戦艦アルカディア号への潜入に成功する。新人乗組員として正体を隠し、ハーロック暗殺の機会をうかがうヤマだったが、やがてハーロックの目的とアルカディア号の正体、そして人類の希望たる地球に隠された秘密を知る。ハーロック役の声優は小栗旬、ヤマ役は三浦春馬。
2013年製作/115分/G/日本
配給:東映
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友よ
明日の無い星と知っても
やはり 守って闘うのだ
命を捨てて 俺は生きる
命を捨てて 俺は…
素敵な唄でしたね。エンディングの唄も、未だに好きな私です。
松本零士の短編集に、ハーロックは時折、姿を見せます。昔、テレビや映画で見たハーロックとは違う趣のある彼が、そこにいます。
ラストシーンが全てです。ハーロックとその仲間達の本当の姿がそこにあります。つまり、ハーロックとは、特定の人物ではない。信念に殉ずる覚悟のある生き方そのものが、ハーロック。彼の志を受け継ぐ者が、あまねくハーロックなんです。短編に登場する彼は、異なる世界で、様々な生き方を魅せます。たとえ、機械の躰になっていたとしても、ハーロックであり続けます。
もっと言えぱ、ハーロックとは憧れるヒーローではなく、自らの意思で実現する生き方なんですね。だから、機械の躰なんてなくても、永遠にハーロックであり続ける。100年どころか、永遠の命を持つ。
正直、短編集を読んでいないと、この映画は、きついかも。でも、松本節がダイレクトに炸裂した逸品のような気がします。松本氏本人が気に入ったかどうかは、知りませんけど。
皆様の御心に、ハーロックはいますか?。
2021年10月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
感想を言うと、日本から世界向けの宇宙SF CGアニメとして、極めて良くできていると思いました。全体的に浅いとか言われればそうかも知れませんが、建造物や機械デザインは流麗で、SF的架空世界説明も私には、「?」の連発なく受け入れられたので寧ろスムーズに感じました。
「一大宇宙叙事詩」の初映画化でもないのですから、これで良いのではないでしょうか。
一番のポイントとして、本作には“機械化人間と永遠に闘う宇宙戦士の浪漫”とか、“クィーンエメラルダス号が300宇宙キロ先の亜空間から唐突に出現!”とか“オレ合成ラーメンしか食ったことない”などといった「松本零士節」がなく、銀河鉄道999も飛んでこないことです。
もっぱら計算ちがいと思い込みを繰り返す一人の人間・ハーロックと、シャッター商店街の老町会長さんみたいなひたすら後ろ向きな地球の管理者が意地の張り合いを繰り広げます。本当の主人公は敵味方となる若者たちですね。
そしてテーマは、鑑賞前に当然思っていた「大銀河の圧政と反乱者」などではなく、殆ど「地球エコロジーと若者への世代交代」でした。
私的には例えば「アバター」のように、“無垢でエコな土着民族と美しーい環境を破壊する先進人類文明は悪!だから悪倒す‼︎”みたいな政治的エコ映画や、
稀代の悪作(ファンごめん)「ベクシル2077日本鎖国」の、“技術進歩ばかりに驕る日本国は滅びました、国土も全部平らな砂漠になりました、で「日本民族」も滅亡ね!”みたいな日本製の自虐的CGアニメ映画はご勘弁でしたが、本作ではその類の意図も感じず、案外簡潔なエコ度で寧ろ好感でした。
一方で従来の「松本零士マルチバース」での宇宙海賊に慣れ親しんでいる漫画ファンには、引き立て役に徹する本作のハーロックは裏切り、ニセモノとさえ映るかもしれません。
実は私も銀河鉄道999全巻全映画ハーロックエメラルダス全て見ましたし、宮沢賢治の銀河鉄道の夜さえ999との対比で見てしまうクチでした。ザ・コクピットも同様です。
ただコア零士ファンのお怒りを恐れず言えば、それらの底流にある「戦後昭和的な懐古、厭世観・反骨心の発露」みたいなものは、21世紀で世界と共存する日本や世界に売り込むアニメではもう措いておくべきかもしれないと思います。その点を本作は比較的スマートに成し遂げたのではと感じました。
こんな駄評を今ごろグダグダ言うのであれば、公開当時に劇場に行って千円なんぼか払ってちゃんと支援すべきでした。反省です。あらためて、簡潔な良作としてSF好きで未見の方のご鑑賞を推奨します。
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映像としては、松本零士さんの描かれる人物やメカの特徴をきちんと捉えながらも(時代の流れでしょうが“松本メーター”が見受けられなかったのは残念でしたね)リアリティのあるもので、若干存在感が薄めで後ろ向きなハーロック(孤高の存在というイメージがあったのですが、いやに人間臭いハーロックでしたね)やヤマ等の登場人物のヴィジュアルは格好良かったですし、ケイやミーメ等の女性キャラクターの絶妙なボディライン(所謂松本ラインですね)や綺麗なロングヘアーの描写は一見の価値があるかと思います。
アルカディア号も外見だけでなく内部構造に到るまで精緻に描かれていましたし、メカニカルな描写も秀逸だったかと思います。
戦闘シーンもなかなか迫力ありましたし、映像としては素晴らしかったですよね。
ストーリーは原作ファンからは大ブーイングを受けているみたいですが、福井晴敏さんらしい脚本で、僕としてはそれなりに楽しめました。
ただ、ラストが頭の悪い僕にはいったいどういう事(゜Д゜≡゜Д゜)?なのかわからなかったのですが…。
ヤマがハーロックの後を継ぐのはわかりましたが、何が原因で皆復活したんでしょう?(゜〇゜;)?????
2019年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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宇宙海賊キャプテンハーロックのことは、ほとんど何も知らない状態で視聴しました。
劇は、
ガイア・サンクションの兄弟、ヤマ(弟)とイソラ(兄)とナミの三人の過去に起きた悲劇と、
デスシャドウ艦隊の、ハーロックとトチロー(無二の親友)とミーメの三人の過去に起きた悲劇をリンクさせて進行して行きます。
ヤッタラン「コイツを扱えるのはニーベルング族 最後の一人・・・彼女だけだ
人類が接触できた唯一の異星文明人」
ミーメが、異星文明人・ニーベルング族の最後の一人です。
イソラ「だが・・・あの男は蘇った
我々の知るハーロックではなく・・・ダークマターを身にまとった呪われた海賊として」
ハーロックは、100年前のカム・ホーム戦争の時に、ダークマター機関の開放を命じたことにより、ダークマター(暗黒物質)をその身に吸収してしまった。ハーロックは呪われた男になってしまった(不滅の肉体を持つ男になってしまった)。
ぼくは、ワーグナーの楽曲「ニーベルングの指環」は知っていました。
ハーロックのモデルは、不死身の肉体を持つ男・ジークフリートなのでしょう。
ハーロック「ダークマターはすべて放出された
今なら殺せるかも知れん」
ハーロックの呪いは解かれました(不滅ではなくなりました)。
最後、
ハーロックの代わりにヤマが“キャプテン・ハーロック”の象徴になります(ヤマが二代目“キャプテン・ハーロック”になります)。
アルカディア号
・アルカディア号には自己修復機能が内臓されている。
・アルカディア号が保証する航続距離は無限大。
この映画を視聴して、
ぼくには、ハーロックの魅力はあまり伝わって来ませんでした。
「自由に生きる」ためとは言え、戦っている相手が人類だから、人間を殺しているから、あまり魅力を感じないのでしょう。
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