遥かなる勝利へ
劇場公開日:2013年11月23日
解説
ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフ監督が、カンヌ国際映画祭グランプリとアカデミー外国語映画賞をダブル受賞した「太陽に灼かれて」(1994)、同作から16年を経て手がけた「戦火のナージャ」(2010)とあわせて3部作として描く戦争ドラマの第3部。第2次大戦下、ロシア革命の英雄でありながら政治犯の汚名を着せられたコトフは、懲罰部隊の一兵卒として前線に立たされていた。そんなコトフの前に深い因縁で結ばれたドミートリが現れ、すでにこの世を去ったと思われたコトフの元妻マルーシャが生きているという事実を告げる。一方、父コトフとの再会を願い続ける娘のナージャは、従軍看護師として戦場を駆け回っていたが……。
2011年製作/150分/G/ロシア
原題:Utomlennye solntsem 2
配給:コムストック・グループ、ツイン
スタッフ・キャスト
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2022年5月12日
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鑑賞方法:VOD
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ニキータ・ミハルコフ監督による2011年製作のロシア映画。
主人公が娘を想う回想シーンのイエローがかった映像とノスタルジックな音楽がとても美しく心に響いた。ミハルコフ監督作品は初めてだが、凄さを感じた。
スターリンは主人公に囚人15000人を引き連れてのナチス要塞への銃器無しでの特攻を命じる。15000人玉砕というプロパガンダ、政治的目的の為に。事実関係は知らないものの、戦場から退却する兵士の銃殺隊に存在と共に、ソ連軍による戦争の本質を見せつけられた気がした。
ドイツ軍空爆の中、男たちばかりのトラックの上でレイブされた妊婦の出産シーンの迫力には圧倒された。年齢のいった男たちが出産を助け、臍の緒の切断シーンまである。あまりにリアルでどうやって撮影したのだろうか不思議。そして、生と死の鮮やかなコントラストを見事に映像で見せられ、ただただ感心。
中将に昇進した主人公が死んだと知らされていた妻が生きていることを知り、妻と親族達が暮らす自宅に戻るが、そこには何故か赤ん坊がいて(実は妻と主人公友人の子)、親族の誰も真実を語らずというシチュエーションが、何だか寅さん映画みたいに悲しいけど少し笑えるところもあり、興味深かった。
ミハルコフ監督による戦争ドラマ3部作のラスト作品。前2作を見ていないせいか、主人公とオレグ・メンシコクの関係性等、良く分からない部分が少なからずあった。何故、彼は手錠をかけた主人公を前にして泳ぐのか?そして、あの蚊、そして蝶々は何の象徴、死や神の使い?
最後、父を見つけ我を忘れた娘、その彼女救う主人公の強いおもいはやはり衝撃的。
製作はニキータ・ミハルコフ及びレオニド・ベレシュチャギン、脚本はニキータ・ミハルコフ、グレブ・パンフィーロフ、ルスタム・イブラギムベコフ、ヴラディミール・モイシエンコ、アレクサンドル・ノヴォトツキー、エドアルド・ヴォルダルスキー。撮影はウラジスラフ・オペリアンツ、音楽はエドゥアルド・アルテミエフ。
出演はニキータ・ミハルコフ、オレグ・メンシコフ、ナージャ・ミハルコフ、ヴィクトリア・トルストガノワ(妻役)、ウラジミール・イリン。
2022年4月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
『貴方は大物だが、小物がいないと貴方はひきたたない』と言ったセリフが出てくるが、トルストイの『戦争と平和』にはそういった思想が隠れている。だから『戦争と平和』にはナボレオンやクトゥーゾフよりも、市井の人たちが描かれている。
ロシア祖国を救った英雄として描かれているが、戦争と平和のペーチャと同じ運命が待っている。愛国心とかナショナリズムを煽ると言うよりも、トルストイが戦争と平和の中で言いたかった事をこの映画では語っていると思った。
ロシア、ウクライナの権力者にこの映画を見せたい。侵略する側のドイツを含めて、色々な民族が登場するが、はっきり、民族名が語られるのは『ロマ族』だけ。ロシアは多民族国家だと思い知らされた。
言うならば、悪者が一切登場しない、戦争映画だと思う。みんな臆病に震えているだけ。
この映画は傑作だと僕は思う。
2021年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ソ連の「大祖国戦争」を舞台にしながら、その中で生きた軍人とその家族の悲劇。
軍人顕彰映画のようなタイトルとは裏腹に、ソ連軍の暗部と、独ソ戦の激しさ、そこに生きた人々を襲った厳しい試練を描いています。
2018年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
最後の要塞の大爆発などは中々意味不明で笑えた。
最後の邂逅は感動的なのだが、娘が地雷を踏んでしまうのが間抜けで
ちょっと興ざめした。
が演技の賜物か次第に感情移入して悲しくなった。シナリオが惜しい。
そして爆発とともに終わる。これは美しい。
何か非常に惜しいなという印象。前作も見てみるつもりである。