ブランカニエベス
劇場公開日 2013年12月7日
解説
グリム童話「白雪姫」にスペインの国技である闘牛を織り交ぜ、モノクロ&サイレントで描いた異色のダークファンタジー。人気闘牛士の娘カルメンは生まれてすぐに母親を亡くし、父の再婚相手で意地悪な継母に虐げらながら育つ。ある日、継母の策略で命を奪われそうになったカルメンは、「こびと闘牛士団」に助けられ、「白雪姫」という名で彼らと一緒に見世物巡業の旅に出る。やがて女闘牛士として頭角を現したカルメンは、行く先々で圧倒的な人気を得るようになるが……。スペインのアカデミー賞と称される2013年・第27回ゴヤ賞では、作品賞ほか10部門を制した。
2012年製作/104分/G/スペイン・フランス合作
原題:Blancanieves
配給:エスパース・サロウ
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2021年6月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
“ブランカニエベス”って何かと思ったら、スペイン語で“白雪姫”。
『白雪姫』を下敷きに、スペイン名物・闘牛をミックスし、モノクロ/サイレントで描いた異色作。
でも、前半は『白雪姫』って言うより『シンデレラ』っぽくない…?
むか~しむかしあるところに、1920年代のスペイン・アンダルシア地方に、人気者の闘牛士がいました。
妊娠中の奥さんもいて、幸せの絶頂でした。
しかしある試合で闘牛士が大怪我をしてしまい、そのショックで奥さんは娘を産んで死んでしまいました。
娘はカルメンシータと名付けられ、おばあさんが引き取り、身体が不自由になった闘牛士は看護士が再婚しました。財産を狙って。
そして何年か経っておばあさんが亡くなり、カルメンシータは引き取られる事になりました。意地悪な継母の元に。
そこで毎日のようにいじめられ、大変な仕事を与えられ…。
…って、完全『シンデレラ』じゃん。
ツッコミ所も。
カルメンシータが引き取られた時一緒に連れてきたニワトリのペペ。
継母から絶対に行くな!…と言われている二階へ逃げてしまう。
連れ戻す為、二階へ。恐る恐るある部屋へ。
そこで出会ったのは…
生き別れた父。
感動の再会はここまではいい。
が、すぐ継母にバレるかと思いきや、その後も何度も何度も何度も会いに行く。空白の期間を埋めるかのように。
継母、気付かないの…? 自分の贅沢三昧に惚けているって事でもあるけど。
それにこの時、カルメンシータは父から闘牛をレクチャー。才能を開花させていく。
が、遂にある事で、継母に感付かれてしまう…。
ペペや父が不審死。意地悪と言うより、悪女!
継母に憎しみを抱くようになるカルメンシータ。
鏡よ鏡、鏡さん…は無いけれど、ここからようやく『白雪姫』っぽくなる。
雑用で森に行かされたカルメンシータは継母の運転手に首を絞められるも、何とか命は助かる。(運転手は殺したと勘違い)
そんな意識朦朧のカルメンシータを助けたのは、陽気に♪ハイホー♪ハイホー…を歌わない!?
だって彼らは、7人の小人でも、7人の“小人闘牛巡業団”なのだから!
彼らと闘牛巡業の旅へ。
父から受け継いだ才で、各地で注目を集め、人気者になっていく。その名も、“ブランカニエベス”。
小人たちも個性的。“王子様”な小人もいれば、カルメンシータを妬む小人も…。
カルメンシータの名が新聞などで知れ渡ったという事は、あの人物の耳にも。
運転手の失敗に激怒し、自分の手で始末しようとする。勿論方法は、アレ。
クライマックスの闘牛。
大勢の観客の中、競技場に立つカルメンシータ。
罠を仕掛ける小人の一人。
そして、現れた継母。
“ブランカニエベス”の結末は…?
“ヨーロッパのサイレント映画へのラブレター”と語る、パブロ・ベルヘル監督のセンスある演出。
美しい白黒映像、情感たっぷりの音楽。
『白雪姫』がベースなので、サイレントでも話は分かり易い。
カルメンシータ役のマカレナ・ガルシアの凛々しさは特筆もの。剣を構え、牛から目を離さぬ姿はカッコ良さすら。
でもそれ以上に、継母役のマリベル・ベルドゥ。本家『白雪姫』の魔女すら恐れるほどの悪女っぷり!
『白雪姫』ベースと言っても闘牛題材の人間ドラマ…と思いきや、毒リンゴは出るわ、カルメンシータはそれを食べ…やはり『白雪姫』ベースのダーク・ファンタジー。
悲しい話。悲しい結末。
“キス”も意外な相手。
ダーク・ファンタジーで、悲劇的な人間ドラマ。
少々難点感じたり、センス感じたり。
不思議で異色の“闘牛姫”の世界に誘われる。
サイレントの特性として、キャラクターがコミカルになるのは仕方がない。
同様の理由から物語が定型になるのも分かる。
だが、思いやりの精神が少しでもあればここまで酷い脚本は書けないだろう。
360度隙のない完全無欠の大馬鹿者共の渾身の駄作。
2018年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
白雪姫の闘牛士版?ともかくスパニッシュギター音楽が素敵で、白黒無声映画ということでアカデミー賞をとった『アーティスト』の影響なのかと考えつつも、心地良く鑑賞できる。
石炭部屋に入れられ、まともな食事も与えられず、父親に会うことも許されなかったカルメンシータ。可愛がっていた鶏ペペがエンカルナによって唐揚げにされたシーンはショック。
大人になったカルメン。しかし父親が継母に殺されてしまう(謎)。そして魔の手はついにカルメンにまで・・・死にかけていたところをこびと闘牛士団によって助けられる。記憶喪失になっていた彼女は父親からひそかに教わっていた闘牛士の才能を発揮し、こびと達によってブランカニエベス(白雪姫)と名づけられる。
大きな闘牛場でデビューしたブランカニエベス(マカレナ・ガルシア)。しかし、執拗な継母エンカルナは闘牛場で彼女に毒リンゴを食べさせたのだった・・・目覚めない彼女は今や見世物小屋の出し物にされ、10セントで大勢の人にキスされてゆく。何というエンディング!最後はこびとの一人によるキスで涙を流す・・・だけ。
2018年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
モノクロ無声。
ベースの白雪姫の視点を変えた凝った構成。
紆余曲折を経てラストに希望を膨らませるも
...切ない。
すべての映画レビューを見る(全17件)