サイの季節

劇場公開日:

サイの季節

解説

「ペルシャ猫を誰も知らない」撮影後にイランから亡命したバフマン・ゴバディ監督が、クルド人詩人サデク・カマンガルをモデルに描いた社会派ドラマ。イスラム革命のさなか、半革命的な詩を発表したために投獄された詩人サヘル。妻ミナは夫の帰りを待ち続けていたが、やがて夫が獄中で死亡したと聞かされて新たな生活をスタートさせる。実は生きていたサヘルは30年間の獄中生活の末についに自由の身となり、ミナの行方を探すが……。ミナ役にイタリアの人気女優モニカ・ベルッチ。2012年・第13回東京フィルメックスのクロージング作品として上映された。

2012年製作/93分/G/イラク・トルコ合作
原題または英題:Fasle kargadan
配給:エスパース・サロウ
劇場公開日:2015年7月11日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0権力の圧倒的腕力になすすべもない個人の運命を考えた

2022年2月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

体制側を批判した、と取られた詩を書いた男が、妻とともに捕らわれた。30年という年月はあまりにも長過ぎる。ボクなら悲観して獄死しそうな期間だ。そして女性に執拗に迫る官憲は男を抹消しようと動く。モノトーンのシーンに、人への思いと運命、誤解が絡み合い、象徴的なカット割りを刻んで行く。今現在も世界で続く内戦の悲劇でも同じ図式だろう。権力の圧倒的腕力になすすべもない個人の運命を考えた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ezu

3.0イランから亡命した監督

2016年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

イランのイスラム革命で、反イスラムの詩を書いたとして詩人のサヘルと妻ミナ(モニカ・ベルッチ)が逮捕される。
先に釈放されたミナのもとにサヘルが獄死した、との偽情報がはいる。
サヘルは30年の刑期を終えるが・・・。
監督は前作によりイランに帰れなくなり、亡命せざるを得なくなった
バフマン・ゴバディ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いやよセブン

3.5幻想にするならふりきっても

2016年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ところどころ幻想的なシーンが登場する。でも何か中途半端な気がする。社会派ドラマのカラーで押し切った方が良かったような。テオ・アンゲロプスと比べちゃうから。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
dragonmizuho

4.0良質で硬質な、これが映画だ。たぶん。

2016年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

久々に、良質で硬質な映画を見た。

イスラム革命のなか投獄されたサヘル、彼を待つ妻ミナ。
横恋慕を抱くアクバル。

3人の目を通して、それぞれの感情が、押し殺したなかで描かれる。
この3人を演じたベヘローズ・ボスギーもモニカ・ベルッチも、そしてユルマズ・エルドガンも皆素晴らしい濃厚な演技。

映画もその大筋を観るものには十分に分からせながらも、ときに幻想的な映像を詩とともに織り込む。

本当の映画ファンだけが見られる映画なのか。
自分は、まだまだ修行が足らぬことを実感した。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
critique_0102