サンタクロースをつかまえて

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サンタクロースをつかまえて

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解説

東日本大震災後、初めてのクリスマスを迎えた宮城県仙台市の人々を追ったドキュメンタリー。2011年12月、震災で多くのLED電球が喪失するなどの被害を受けながらも、約60万個の電球がケヤキ並木を彩る仙台市の冬の風物詩「SENDAI光のページェント」が例年通りに行われた。イルミネーションが街を彩り、教会では歌と祈りがささげられ、人々はそれぞれのクリスマスを迎える。仙台を拠点に活動するミュージシャンで、震災直後にYouTubeにライブ動画を投稿した澁谷浩次(yumbo)らが当時の心境を語る。監督は、ドキュメンタリー「遭難フリーター」などを手がけた仙台市出身の岩淵弘樹。

2012年製作/80分/日本
配給:東風

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
撮影
山内大堂
録音
辻井潔
サウンドデザイン
山本タカアキ
挿入歌
麓健一
yumbo
はっぴいえんど
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映画レビュー

3.5割り切れなさを抱えてこそ、の語りの強さ

cmaさん
2012年12月23日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

幸せ

語りの映画だ。
あの震災、仙台光のページェント。いずれの映像も、繰り返し繰り返し目にしてきた。そこにどんな音や声をのせるか、で映像の印象はがらりと変わる。
さまざまな語り手が登場するが、感じたのは「こんなことをしていていいのだろうか」と割り切れなさを抱えてながら生活を営んでいる人の言葉が、いかに心の奥まで届くか、ということ。あくまで個人的な感想だが、信仰や家庭にゆるぎない価値観を見出だせている方々の言葉は、耳を傾け続けるのに集中力やエネルギーがいった。一方、悩みながらも震災直後に音楽を発信したミュージシャンや、演奏を撮影し、一方で子を急遽避難させたカフェ店主の言葉は、気負わずとも胸に染み込んでいく。
何より突出して素晴らしいのは、監督のお母様・恵子さんの語り。お母様のパートだけでも、この映画に出会ってよかった、という気分になる。何かしら手を動かし、歩きまわりながら、豊かな表情とともに繰り出されるまっすぐな言葉たち。会社からのメールに狂喜乱舞し、津波で流された車探しに「大切だけど大切じゃない」と逡巡する。彼女の言葉は、生き生きと躍動し、色褪せた風景に息吹を吹き込む。そんなハイテンションな語りをクールに反応する御主人とのやり取り?も絶妙。ここだけでもずっと見ていたい、と思った。
加えて好感を持ったのは、クリスマスを迎えた子どもたちの姿だ。サンタクロースやプレゼントにわくわくと胸をときめかせる…なんていう、ホームビデオでさえも使い古された風景を、本作は臆面なく丁寧に映し出す。これが、少しもあざとくない。それは、震災があったから、なのだろうか。あの日々を乗り越えたのだから、と受け手が感じて観るからこその、震災がもたらした皮肉な幸福なのか。
震災、ページェント、クリスマス。どれもわかりやすいイメージが定着しており、個人的には居心地悪さがある。それでも、楽しく、幸せな瞬間は潜んでいる。居心地悪さを抱えながらも、ふとそう感じてもいいのでは。映画を観てから一晩経ち、昨夜のもやもやを振り返っていたら、なぜかそんな答えが頭をのぞかせた。思い出すにつけ、また印象は変わるかもしれないけれど。
監督いわく、「振り子のような」不思議な作品だ。セルフ・ドキュメンタリー「遭難フリーター」の岩淵監督が、新たな作品を世に送り出してくれたことが、うれしく、喜ばしい。

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cma
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