顔役(1958)

劇場公開日:

解説

北条秀司の『顔役』の映画化で、結末にドンデン返しの用意された人情諷刺喜劇とでも云うべきもの。脚色は「坊っちゃん(1958)」の椎名利夫、監督は「渡る世間は鬼ばかり ボロ家の春秋」の中村登、撮影は「坊っちゃん(1958)」の生方敏夫が担当した。「駅前旅館」の伴淳三郎、「モダン道中 その恋待ったなし」の佐田啓二、「ろまん化粧」の高千穂ひづるをはじめ、大木実・石浜朗・淡路恵子・九条映子などが出演。

1958年製作/96分/日本
原題または英題:The Country Boss
配給:松竹
劇場公開日:1958年8月31日

ストーリー

大学生輪島一夫は帰省の途中、学校の先輩という眼の鋭い男と知り合った。彼も山形へ新事業の視察のため行くという。実は東京を食いつめたペテン師・泉川である。一夫の父・八十吉は三助から成り上った金持の銭湯経営者である。町に防犯灯を建設し、県から表彰された。その祝賀会の日、一夫を訪ねてきた泉川は、早速お人好しの八十吉にとりいり、市会議員へ立候補をすすめる。八十吉は立候補を届け出、泉川が選挙事務長に収った。泉川は八十吉を八十彦と改名させ、無学の彼に演説の文句を教えたりする。対立候補は浴場組合長の松田だった。松田派のアルバイト女子大生と、泉川は通じ、松田の妾についての情報を得、八十吉に“風紀粛正、町の純潔化”を謳わせる。--祝賀会の日に、女中の花枝が卒倒したのだが、それが妊娠のツワリのためだということが判った。しかも、相手は“風紀粛正”を謳う八十吉だというのである。八十吉の妹・波代は温泉芸者上りのあばずれ女だが、モミ消しを頼まれて花代の叔母に話をつけに行った。兄から託された十万円のうち七万円を猫ババする。波代はすでに泉川とデキていた。--松田派が自由社会党の大立物・菅井総務を呼び、全市の人気をさらった。が、泉川は米沢公演に来、波代の店に寄った三助上りの大スター“大木実”を説き落し、八十吉応援に来させることに成功した。ミーハー選挙民は菅井をそっちのけ、大木実を熱狂して迎えた。八十吉派は盛り返した。そこへ花枝の兄と称する白河弁護士が乗りこんできた。三十万をゆする。花枝を好きな三助・角造が相手と名乗ったが無駄だ。真相を知った八十吉の妻・さとは家出した。一夫も父を憎んだ。彼は花枝を訪ね、父のことをあやまった。何故か、花枝は泣いた。--八十吉は最高点で当選した。泉川は姿を消した。波代が例の三十万を引きだすため兄から託された小切手帳を使って出した八十吉の残金・百万円をふところに。そばには例のアルバイト女子大生がいた。波代もだまされたのだ。八十吉にはもっと驚いたことがあった。例の花枝は叔母や白河弁護士とグルの美人局専門のアバズレだったのだ。彼女はわざわざ自分の正体を見せにきた。いつかの一夫の行為に感じたためか。さとも一夫も家に帰った。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く