FAMILY TIME
劇場公開日:1996年3月30日
解説
精神的なダメージを受けた人間の希望を、少年の“部屋巡り”で寓話的に描くハード・メルヘン。監督・脚本は本作で、ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭'94オフシアター部門グランプリを獲得した川口良太。BOX東中野の“インディーズBOX/Vol.1”の中の1本として公開された。93年製作、VTR作品。
1996年製作/日本
配給:BOX OFFICE
劇場公開日:1996年3月30日
ストーリー
生まれつき右手の動かない少年は、「どうして僕の右手は動かないの?」と、子供の視点のままで混乱していた。「お父さんもお母さんも動くのに、どうして僕は……」と、混乱は混乱のまま少年を支配し、彼はついに父と母を殺害する。両親の血で汚れた応接間で呆然としている少年は、しかし、何も解決できていなかった。そんな少年の目に映ったのは、テレビから流れる夜の遊園地の映像だった。遊園地の美しさを何らかの希望ととらえた少年は、遊園地に向かって旅に出る。男たちに監禁されていた少女を助けた少年は、彼女とともに希望の場所を探したが、誤った希望すらも手に入れることはできずに、地獄のような数々の部屋をまわり続けることしかできなかった。両親を殺した部屋に戻ってきた少年は、ナイフで自分の顔を切りつけた。少女は夜の遊園地の前で、ひとり佇む。