浮かれ三度笠
劇場公開日:1959年12月6日
解説
「鳴門の花嫁」の共同執筆者・松村正温の脚本を、「濡れ髪三度笠」の田中徳三が監督した明朗時代劇。撮影担当も同じく「濡れ髪三度笠」の武田千吉郎。
1959年製作/171分/日本
原題または英題:Princess says,"No"
劇場公開日:1959年12月6日
ストーリー
尾張大納言宗春に、不穏な動きがあった。将軍職を吉宗と争って負けたから。吉宗は越前守の進言で、甥の松平与一郎と宗春の息女菊姫を縁組させようとした。与一郎は名うての道楽者で、ふ抜けといわれる。だから菊姫は承知しない。老家臣はお家の安泰のための唯一の道と姫を説いた。彼が何者かに斬られ、菊姫に預けたものは、宗春に加担を約した諸大名の連判状だった。菊姫は腰元渚をつれ、父の暴挙をとめようと、江戸屋敷を発った。姫を内密に探す役が、渚の恋人、楠見兵馬に命ぜられた。--越前守は菊姫からの連判状奪取を、黒手組の赤座らと、ふくろう組の権藤ら二組の隠密に命じた。箱根で、兵馬はやらずの与三郎という陽気な旅鴉と道連れになり、意気投合した。出会った女やくざお吉が与三郎に惚れた。兵馬と別れた彼は、ふくろう組に追われた菊姫らを逃がしてやった。吉原の宿で、偽名がもとで菊姫は江戸の豪商の娘として扱われた。黒手組のにせ芸人一行とドンチャン騒ぎ。同宿だった兵馬が姫に出会い、使命を話していたのが、黒手組の耳に入った。ふくろう組も襲ってきて、兵馬は必死に奮戦した。与三郎が現れ、彼を助けたが、その間に連判状がなくなっていた。与三郎の予想はあたり、連判状はお吉が持っていた。黒手組の隠密だ。彼の色仕掛で、たやすく元へ戻った。菊姫は彼に譲られ、名古屋へ着いた。いつか慕っていた。家老榊原は姫を宗春に会わせなかった。江戸へ送かんしようとした。城下はずれで、銃声を合図に姫は篭から抜け出、兵馬の馬で、鷹狩りに出ていた宗春のもとに駈けつけた。父は姫の説得に耳を貸さなかった。--黒手組とふくろう組は宗春の陰謀の証拠を固めていた。与三郎が赤座と権藤を倒した故か、お吉は裏切者として消された。兵馬の一徹さに負け、与三郎は連判状を返してやったが、菊姫らが必死に父を説いている時にどこからか現れ、ついに宗春を説得し、愚挙をやめさせたのだ。菊姫は意気揚々と江戸へ帰ったが、松平与一郎との縁談が待っていた。見合いの時、姫は狂気を装ったのだが、現れた相手はなんとやらずの与三郎だった。《意地悪!》姫は彼の胸に倒れこんだ。それを兵馬と渚がうれしそうに見守っていた。
スタッフ・キャスト
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松平与一郎市川雷蔵
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楠見兵馬本郷功次郎
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菊姫中村玉緒
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お吉左幸子
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渚宇治みさ子
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お花美川純子
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大岡越前守島田竜三
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お梅かしまし歌江
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お松かしまし花江
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お島かしまし照江
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徳川吉宗伊沢一郎
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徳川宗春小堀明男
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榊原采女正清水元
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村井源蔵本郷秀雄
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権藤民部富田仲次郎
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赤座道犬嵐三右衛門
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此木大膳正香川良介
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坂部監物荒木忍
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神井半兵街水原浩一
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諸岡一角寺島貢
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早坂玄馬市川謹也
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松平家の家臣原聖四郎
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木綿問屋の番頭石原須磨男
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柴田孫太夫東良之助
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老女橘公子
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お雪小町瑠美子
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すれ違いの姫綾英美子
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旅篭の女将おろく金剛麗子
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箱根の雲助甲藤川準
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箱根の雲助乙玉置一恵
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町人岩田正
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旅篭の番頭三浦志郎
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飴売り越川一
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箱根の雲助丙河田好太郎
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旅篭の客(一)沖時男
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旅篭の客(二)遠山金四郎
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近習浜田雄史
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茶坊主井手野憲治
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宿の女中大谷鷹子