電話は夕方に鳴る
劇場公開日:1959年7月8日
解説
「才女気質」の新藤兼人のオリジナル・シナリオを、「夜の素顔」の吉村公三郎が監督したコミック・スリラー。撮影は「一刀斎は背番号6」の中川芳久。
1959年製作/107分/日本
配給:大映
劇場公開日:1959年7月8日
あらすじ
瀬戸内海の平和な市--市長の立花卓造の家に一通の脅迫状が舞いこんだ。五十万円よこせと書いてあった。翌日、卓造は市長室で推理小説マニアの秘書酒井辰枝に、事件を看破された。彼は助役の山根に相談した。そこに電話がかかってきた。声の主は速達を卓造のもとに送るといった。速達の内容は、娘の咲子に現金を持って喫茶店“旅路”に来いとあった。事件のことを元市長運転手の永井は妻に話した。弟の貞次は失業してぶらぶらしていた。市政ボスの神長は山根となにごとか密談した。翌日、問題の喫茶店--犯人は厳重な警戒を感づいて、計画中止の電話を市長夫人にかけてきた。市長宅では、町の有力者が集って相談をはじめた。神長は暴力団の一掃を主張した。とんだとばっちりを受けた浪千鳥一家の仁吉親分は大むくれ。あわてた森下署長は人民党支部を捜索した。書記長は神長の息子達三とわかり、とんだ藪蛇で伝右衛門は大あわて。警戒は日に日に厳重になった。水月楼で山根は妾の花江と密会、これを発見されて妻君にさんざん油をしぼられた。かくして、脅迫事件は町中をてんやわんやの大騒ぎにしてしまった。市長室の電話は夕方になると鳴った。相変らず脅迫はつづいた。市長選挙をひかえ、保守党・社民党の両幹部が町にのりこんで来た。市長の息子長太郎と友人の江川もやって来た。犯人は市長夫人に美術館のゴッホの絵の裏に金をかくしておけといって来た。今度はゴッホの絵が贋物だということがわかっただけで、犯人逮捕はまたも失敗。長太郎たち町の若いものは、脅迫事件で町の不正が暴かれたのを喜んだ。犯人は最後の脅迫の電話をかけて来た。指定の場所、町の繁華街に警戒網がしかれた。貞次はその中を、東京行の列車にのるために急いだ。辰枝がその後を追った。犯人は現われなかった。翌日、町に平和がもどった。市長室では卓造が得意気に、辰枝に市長選挙の抱負を語っていた。
スタッフ・キャスト
-

立花卓造千田是也
-

妻節子村瀬幸子
-

長男長太郎川崎敬三
-

次男浩二郎毛利充宏
-

長女綾子大和七海路
-

次女咲子仁木多鶴子
-

山根伝吉伊藤雄之助
-

伝吉の妻平井岐代子
-

森下殿山泰司
-

息子孝則金沢義彦
-

神長伝右衛門中村鴈治郎(2代目)
-

息子達三石井竜一
-

酒井辰枝小野道子
-

永井善兵杉田康
-

妻公子目黒幸子
-

弟貞次野口啓二
-

江川一平船越英二
-

浪千鳥仁吉上田吉二郎
-

刑事部長中村是好
-

つた子南左斗子
-

人民党支部長原田玄
-

社民党支部長高村栄一
-

社民党支部幹部星ひかる
-

保守党東京幹部A小川虎之助
-

保守党東京幹部B吉井莞象
-

社民党東京幹部宮島城司
-

刑事A夏木章
-

刑事B早川雄三
-

刑事C飛田喜佐夫
-

刑事D中条静夫
-

煙草屋のおばさん村田扶実子
-

花江市川ひろみ
-

地方新聞編集長伊東光一
-

新聞記者守田学
-

私服の刑事三角八郎
-

婦人警官三宅川和子
-

天文台長大山健二
-

不良少女久保田紀子
-

マンボ・ボーイ津田駿二
-

美術館長十朱久雄
-

高福寺の和尚富田仲次郎
-

七郎兵衛見明凡太朗
-

娘つや子田中三津子
-

太一花布辰男
-

息子四郎大川修
-

人相の悪い男佐々木正時
-

歌会に出る男ジョー・オハラ





