かわいい女(1959)
劇場公開日:1959年6月23日
解説
多岐川恭の原作を、河田進が脚色し、「名づけてサクラ」の斎藤武市が監督したミステリー・ドラマ。撮影も同じく「名づけてサクラ」の藤岡粂信。
1959年製作/70分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年6月23日
ストーリー
公団住宅の一室で、若い共稼ぎ夫婦の無理心中未遂事件が起った。夫の江島鉄夫は死に妻の優子は助かった。取調べがすんでしばらくたったある日、優子は雑誌記者・倉田の訪問を受けた。倉田は優子の遠い親戚にあたり、優子に結婚の相手として親友の鉄夫を紹介したのだった。倉田は、二人の無理心中を取材するよう命ぜられた。彼はまず、優子が勤め先の銀行から真直ぐ帰宅していないことをつきとめた。そして、鉄夫の会社の部下で恋人同士の四郎と雅枝に会ったことから、思わぬ糸口を掴んだ。鉄夫が二人の仲人を引受けたというのだ。死ぬつもりの人間が、仲人役を引受けるだろうか?さらに雅枝は、四郎と旅館に行った時、若い男と出て来た優子を見たと言った。優子の男友達に田上という青年がいた。この男だと倉田はにらんだ。田上の許をたずねた倉田は、二人が高校時代から恋愛関係にあり、しかも将来を誓い合った仲だと聞いて驚いた。田上が大学を卒業し、職業が決定次第鉄夫と離婚すると優子は言ったという。優子の方から、倉田に相談したいことがあると電話がかかってきた。アパートを訪れた倉田は、離婚を前提に鉄夫と計画的に結婚した秘密を追及した。優子は、倉田の腕に崩れ落ちた--。一息いれて、傍のビールを飲んだ倉田は、急に意識が薄れてきた。優子はふらふらになった倉田をベッドにひきずり、ガス栓を開いた。優子はドアに向った。が、鍵はかかっていた。倉田のポケットを探したが見当らなかった。優子は窓を壊そうとしたが、やがて力つき倒れた。同時に、倉田の腕もだらりと落ちた。その手の中に、ドアの鍵を握りしめながら。