青春の丘の上
解説
「海から来た男」に続く神戸一郎の歌謡青春もの。石島達寛と蓮池義雄の脚本を、竹前重吉が監督し、藤井春美が撮影した。
1959年製作/日本
ストーリー
城田と江口は西南大学のテニス部員だ。江口は女子学生の雪枝という恋人がいた。城田に“幻の恋人”がいた。いつぞや、あるテニスコートであった、名も知らぬひとである。--その女性は啓子といい、村上製薬の社長秘書をしていた。社長令嬢の秀子とは親友である。--テニス部の予算が苦しく、寄付金を集めることになった。江口が西南大の出身の村上社長を訪ねることになった。五万円を受取った。雪枝が姉の病気で、金を作って故郷へ帰らねばならぬときき、江口はその寄付金を彼女に渡した。江口は絶食して、期限まで金をつくろうとしたが、空腹で倒れてしまう。城田は彼を下宿へ引きとった。バイトをやろうと、キャバレー“ゴンドラ”で歌を歌うことになった。コロムビアで“二人でテニスを”の作曲を懸賞募集してい、城田は食指を動かした。ある夜、啓子が社長と連れだってきた。社長の令嬢か。江口は村上家の末娘のテニス・コーチをしていた。彼の早合点で、城田が秀子のため、“二人でテニスを”の作曲までしているということになった。一度あってくれとたのみこみ、承諾を得た。なんてロマンチックなんでしょうと。しかし、城田と啓子はその後ふとしたことで再会してい、たびたびランデブーしていた。啓子の父はこれを嫌い、同業の漢法薬店の息子、矢島を婿にしようとした。秀子は話題の男性を家に招き、啓子にも見せた。啓子は悲しみ、走り去った。城田の作曲した例の曲が当選した。秀子は曲の捧げられた女性が啓子と知り、はげました。当選発表会は、作曲者自身が歌を唄い、テレビで中継された。啓子はみつめた。父は矢島との縁談を進め、店の増築実に五十万円を借りた。学生一同は首を集め、矢島の身元調査をして、縁談を破談にしようとした。欠点はなかった。が、雪枝が帰ってき、彼こそ彼女の姉を捨てた男だといった。見合いの日、矢島の素行があばかれ、城田と啓子は結ばれることになった。借金も村上社長が返済し、その特約店となって再出発することに決ったという。