デン助の ワンタン親父とシューマイ娘
劇場公開日:1959年1月27日
解説
「おトラさん大繁盛」の新井一の脚本を、新人第一回の板谷紀之が監督した人情喜劇。撮影は「若旦那大いに頑張る」の遠藤精一。
1959年製作/56分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1959年1月27日
ストーリー
場末の中華そば屋の親父デン助は、江戸前気質の一てつもの。母をなくしたみなし児ひろみを育てているが、彼女は歌がうまく、店に来る客がそれをほめるとラーメンを只でふるまうほどだった。店にはもう一人、すみ子という看板娘がいた。ある日、すみ子はソープランドの建設地としてここら一帯が買収されようとしているのを耳にした。そこでデン助は、翌日麻雀屋をやっている地主末吉のところにワンタンをとどけにいった時これが本当だと聞いてビックリ。“とんでもねえ”と啖可を切ったが、“ためた地代はどうするんだい”と云われてしょんぼり。実は、病気の職人長さんのために金は使ってしまったのだった。だんだんと買収が進むにつれて、思案にあまったデン助はこの土地は地盤がブヨブヨだと会社に投書した。一方ひろみには買いたい靴があったが、デン助が長さんのために金を使ってしまったので買えない。そこでひろみは友達てる子の発案でのど自慢に出ることとなった。翌日、ひろみののど自慢にデン助が耳をかたむけている時、実地調査に来た会社の大川が末吉に案内されてやって来た。見ると大川はかつてデン助が生死を共にした戦友だった。しかし大川が土地の買取主だと知るとデン助はよそで食ってくれと追いかえしてしまった。やむなく車にかえった大川は、ラジオで一等になったひろみが、アナウンサーの問に答えてデン助がそだての親だと知ってびっくりする。ひろみはかつて大川が唄い手との中に作った子だったが、親の反対で姿を消していたのだ。喜んだ大川はデン助に頼んでひろみを引取った。それ以来、デン助はノイローゼ気味。しかし、テレビでデンスケおじさんのために「ワンタン親父とシューマイ娘」を歌うひろみに元気をとりもどすのだった。