第三の死角

劇場公開日:

解説

小島直記の原作を、「男のブルース」の直居鉄哉と、蔵原弓弧が脚色、「嵐の中を突っ走れ」の蔵原惟繕が監督したもので、スリラー的手法で描いたアクションドラマ。撮影は「港でうまれた男」の藤岡粂信。

1959年製作/97分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年1月22日

ストーリー

加治と芳川は大学時代無二の親友だった。卒業した芳川は東邦造船に入社し、ストライキ破りで会長の久保に認められた。一方、加治はナイトクラブ・モンブランのマネージャーをやるかたわら、産業界の黒幕青山の秘書となり、青山の東邦造船乗っ取りの手伝いをしていた。東邦造船の経理課員木村は、加治から金と引換えに会社の重要書類を渡した帰途、何者かに殺された。ある日、加治はモンブランに来た久保の娘秋子と知合った。秋子は加治に惹かれた。芳川は社の秘命で、会社機密の漏洩の調査を始めた。金廻りのよい木村の遺族を尋ね、背後にボクサーの小泉がいることをつきとめた。ボクシングの試合見物の日、来合せた芳川と加治は旧交を温めた。数日後、谷村社長は会長に頼まれて、芳川と秋子を見合させた。青山は暴力団に東邦造船から手をひけと脅迫され、加治に救われた。芳川は加治に秋子と結婚しろといったがブルジョア娘なんかといって彼はとりあわなかった。小泉を通じて青山に情報を流していた、芳川の同僚杉山が何者かに殺された。加治は真の生活を望む秋子を見直した。問題は近づく株主総会に持越された。芳川は秋子に彼女の持株を加治に渡すなと注意した。しかし、秋子は加治を信頼して株を渡した。総会の当日、裏面で久保と青山の狡猾な妥協工作があるとも知らずに、芳川と久保は激しい討論をかわした。そして会は流れた。その日、芳川は故意か偶然か、非常階段から落ちて死んだ。加治が青山の邸に行くと、小泉が拳銃を持って持っていた。必死の格闘、加治は小泉を倒し、自らも倒れた。息も絶えだえになりながら、秋子に電話し真実の恋を打明けた。

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