水戸黄門漫遊記(1958 三隅研次)
劇場公開日:1958年12月21日
解説
「花の遊侠伝」の小国英雄のオリジナル・シナリオを、「執念の蛇」の三隅研次が監督したコメディ。撮影は「消えた小判屋敷」の今井ひろし。「日蓮と蒙古大襲来」の中村鴈治郎、「血文字船」の勝新太郎、「濡れ髪剣法」の中村玉緒に、品川隆二・千葉敏郎・島田竜三・三田登喜子・小川虎之助らが出演。
1958年製作/86分/日本
配給:大映
劇場公開日:1958年12月21日
ストーリー
天下の副将軍水戸光圀は家督を綱条に譲って、佐々木助三郎と渥美格之進を供に諸国漫遊の旅に出た。家老の中山備前守は道中を案じて、家中の侍たちや腰元の琴江らを変装させて、身辺に配した。須賀川の宿で、ある町人の妻に横恋慕した悪代官をみつけ、光圀はこれを罰した。ところが二本松城に泊った夜、光圀はこの事件が光圀のために仕組まれた芝居と知った。同じ夜、城中の一室では成田図書らが、お家乗取りを策していた。気ままな旅を望む光圀は置手紙をして城中から姿を消した。翌朝光圀を探すので町は大騒ぎとなった。町の混雑の中で、光圀は捨吉・大助という二人の若者と口の不自由なお絹と知り合った。捨吉と大助は役人に助三郎と格之進に間違えられ、奉行所で大歓待を受けた。白石の館で二人は光圀と会ったのだが光圀を偽物と思って、旅をつづけることにした。一行は岩沼街道でお絹、実は旅の枕探しと再会した。仙台の青葉城--その頃城下の松山神社の境内で、豊臣家の遺臣根来重兵衛らの一党は、成田図書と光圀暗殺の相談をしていた。ここでも大作と捨吉は助之進らになりすました。光圀は伊達陸奥守から、二本松家の内紛を聞き元に引返えすことにした。途中、お絹は三人に光圀の子であることを打明けて、光圀の幼名千代松丸の署名入りお墨付をみせた。霊山神社にさしかかると一行の前に根来重兵衛らが現れた。大作・捨吉の活躍や、銃声を聞きつけて、かけつけた格之進らの働きで光圀を救った。ここで光圀が本物だとわかった。一行は二本松城に入った。光圀はお絹の実の父・城主丹羽左京太夫に彼女を引合せた。千代松丸とは光圀にあやかった左京太夫の幼名であった。左京太夫はお絹に養子を取り、家をつがせることにした。捨吉と大助は家中の軽輩になり、光圀はお絹たちに見送られ、次の旅へと出発した。