執念の蛇
劇場公開日:1958年9月7日
解説
「白蛇小町」の土屋欣三の脚本を、「怪猫呪いの壁」の三隅研次が監督した“蛇もの”。撮影は「女狐風呂」の竹村康和。「消えた小判屋敷」の毛利郁子、「人肌孔雀」の島田竜三・近藤美恵子らが出演している。
1958年製作/52分/日本
劇場公開日:1958年9月7日
ストーリー
伊勢屋次郎兵衛の娘お千代は、手代の清二郎と夫婦になることになった。これを快く思わないのは、お千代の踊りの師匠・歌次である。歌次は清二郎と只の仲ではなかったからだ。伊勢屋の番頭・彦六は、次郎兵衛が歌次を見て、若気の過ちで以前に関係のあった女に瓜二つ、ともらしたのを耳にし、悪企みをした。歌次の兄の紋三郎、その仲間の藤吉と、歌次を次郎兵衛の娘に仕立てあげ、お家を乗っとろうというのである。歌次は彼らと共謀し、お千代をつきそいの女中・おきぬと別れさせ、竜神堀に誘い出し、お千代を惨殺、死体を堀の中に沈めた。おきぬから事の次第を耳にした浪人・竜之助は、企みを察知、お千代の死因が何かを発見しようとした。歌次は次郎兵衛の娘として、伊勢屋に住みこむことに成功した。この成功に、藤吉は歌次に金の無心をするようになるし、彦六は言いよる。歌次は二人をだまし藤吉に彦六を殺させ、藤吉の脇腹を自らえぐった。あと、気にかかる存在はおきぬである。悪の仕放題の歌次に、蛇の執念がとりついた。お千代の亡霊と蛇に招かれるようにして歌次が竜神堀へ現われると、おきぬが紋三郎の手で堀へ投げこまれようとしていた。この時、おきぬ救助に駈けつけたのは竜之助だ。紋三郎は倒された。歌次は、襲いかかる蛇に、首を乳房を太腿を、むき出しにして、断末魔の悲鳴をあげ、堀の中に身を沈ませた。