屋根裏の女たち

劇場公開日:

解説

「雑居家族」の原作者壷井栄の異色作品“屋根裏の記録”の映画化。雑草のように踏みにじられながらも強く生きて行く女達の愛情をテーマとした文芸篇である。「妻の心」の井手俊郎と「恋と金」の木村恵吾が共同脚色、「新妻の寝ごと」に次いで木村恵吾が監督した。撮影担当は「恋と金」の秋野友宏。主な出演者は、「裁かれる十代」の川上康子、市川春代、「火花」の八潮悠子、船越英二、村田知英子、「人情馬鹿」の藤田佳子「娘の修学旅行」の浜口喜博、その他倉田マユミ、浦辺粂子、宮島健一などである。

1956年製作/87分/日本
配給:大映
劇場公開日:1956年5月14日

ストーリー

潮風の吹きただよう小さな港町。飲食店を営むおきんの家の屋根裏部屋では、一人娘のおコウが高校卒業試験の準備に夢中だった。その頃、町で興行していたストリップ劇団は不入り続きで、座員のはるみは宿屋の女将おしまの口入れでおきんの店で働き、男たちの人気を集めていた。数週間後、卒業証書を手に帰って来たおコウは、屋根裏部屋ではるみと男客の、あられもない姿を見て驚いた。事情を知ったおきんは、はるみに小言を云ったものの、おコウに世間並の娘の暮しをさせたい余り、元芸者の菊江、洋パンあがりのメリーなど諸方を食いつめた女たちを置くようになった。おきんの店は繁昌し、裏の空地には別棟も新築された。夏も近いある日、女たちを連れて近くの料理屋へ出掛けたおきんは、土地の有力者太田の妾におコウを望まれて怒って帰った。やがて病に伏したおきんのため町へ薬を買いに出掛けたおコウは、先日料亭へ行った時の自動車運転手川井に会い、人目を忍ぶ仲となる。一方、それを知らないおきんは、おコウの縁談にヤッキになっていた。秋も近くなり、店の女たちの間では川井とおコウの噂で持切りだった。身重になったおコウは川井に結婚を迫ったが「淫売屋の娘に誰の子か判るものか」と突き放され泣き崩れた。怒ったおコウにタンカを切られた川井は翌朝逃げ出した。おしまの告口でおコウの妊娠を知ったおきんは呆然とした。おきんに手ひどく罵られたおコウは川井を追って家出を決心し、巡航船の船着場に向う。だが過去の自分に似た娘の立場を哀れに思い、今の商売を止めて又ウドン屋に戻ろうと考え直したおきんは娘の後を追い、手を取り合って我が家に戻って行った。

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