父子鷹
劇場公開日:1956年5月3日
解説
勝海舟の父小吉の悲運の一生を描いた読売新聞連載の子母沢寛の同名原作を「たぬき」の依田義賢が脚色、「剣豪二刀流」のコンビ松田定次と川崎新太郎が、それぞれ監督、撮影した文芸篇。主なる出演者は「快剣士・笑いの面」の市川右太衛門、薄田研二、吉井待子、「剣法奥儀 秘剣 鷹の羽」の長谷川裕見子、月形龍之介、「悲恋 おかる勘平」の江原真二郎、原健策など。なお右太衛門の次男将勝(北大路欣也)が、この作品でデビューする。
1956年製作/96分/日本
劇場公開日:1956年5月3日
ストーリー
勝小吉は分限者男谷家に生れたが、幼いころ勝家の養子に入り、同家の養女お信とは許婚の仲だった。世は江戸末期、賄路政策の横行は、その極に達していた。栄達を希う家族の希望から、小吉も人並みの役付を目指して支配石川右近の屋敷に御機嫌奉仕に出ていた。しかし、曲った事は大嫌いの小吉は、男谷家の財産に目をつけた石川の無心をはねつけ、一家の怒りを買った。小吉の実兄、代官彦四郎は、こんな小吉の性根を直そうと任地信州に同道したが、たまたま彦四郎は、同地で無法を働く天下御免岩松家の名代桜井を小吉に命じ召捕らせ、二人は再び江戸へ帰ることとなった。時に支配石川は卒中で倒れ、支配は彦四郎と親交のある大久保に代り、漸く小吉のお番入りが決るとともに、お信との祝言も無事に済ますことができた。ところが好事魔多し、小吉はお番入りの披露の宴で、同役の執拗な嫌がらせに我を忘れ、その一人を殺してしまった。一家の蔑視を浴びても小吉は曲った事はしていないと秘かに自負していた。そのころお信は小吉の一子麟太郎を生み落した。父平蔵の情で牢を出た小吉は、初めて父子の対面をし、この子に一切の希望を托した。それから十年、貧乏に耐えながら、お信と共に麟太郎だけは、とその育成に精出した。その甲斐あって麟太郎は将軍若様のお相手役に推挙され、その登用試験にも見事合格、遂に出世の道が開かれた。「よく育てた」と彦四郎の口からも初めて小吉を讃える言葉が出た。凛々しく登城する麟太郎を見送る小吉と、お信の眼に思わず感激の涙が流れた。この麟太郎こそ、後の海舟、勝安房の少年の日の姿であった。
スタッフ・キャスト
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勝小吉市川右太衛門
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男谷彦四郎月形龍之介
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男谷精一郎江原真二郎
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利平治薄田研二
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お信長谷川裕見子
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男谷平蔵志村喬
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弁治原健策
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五助伊東亮英
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勝の祖母東山千栄子
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桜井甚左衛門山形勲
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勝麟太郎北大路欣也
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大館神田隆
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金子加賀邦男
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大溝主水正有馬宏治
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団野真帆斎吉田義夫
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石川右近将監高松錦之助
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代官増田源八郎
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用人小林団徳麿
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大久保上野介浅野光男
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代官所付の侍・井上源助東日出雄
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お松吉井待子
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団野道場の門弟・松尾善助中野雅晴
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渡辺派の浪人・伊藤佐造小田部通麿
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池田嘉門山村英三郎
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宮田権九郎楠本健二
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団野門弟・松井謙造藤木錦之助
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彦四郎の若党遠山恭二
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小普請・幸田清之進水野浩
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大垣平馬岸田一夫
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勝家の小女仁科克子
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大野陣内陽田重利
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渡辺兵庫戸上城太郎
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医者佐々木松之丞
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産婆山田光子