チャッカリ夫人とウッカリ夫人(夫婦御円満の巻)
劇場公開日:1956年1月8日
解説
ラジオ作家市川三郎他五名の共同原作による放送劇を「へそくり社長」の笠原良三が脚色し、「青い果実」の青柳信雄が監督、「ノンちゃん雲にのる」の小原譲治が撮影を担当した。主なる出演者は「赤城の血祭」の本郷秀雄、「君美しく」の淡島千景、「花ひらく(1955)」の佐野周二、「北海の叛乱」の久慈あさみ、江川宇禮雄、「へそくり社長」の藤間紫など。
1956年製作/87分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年1月8日
ストーリー
山貫産業の模範社員茶刈五郎は愛妻春子と二人暮らし、同僚宇刈正夫は茶刈君の筋向いに妻秋子、娘ユリ子とこれも幸福な毎日を送っている。ある晴れた日曜日、宇刈家ではピクニックに出かけようとする矢先、道に迷った老婆やガス工事人に邪魔されたばかりか、学生時代の親友浮田が子供連れで押しかけて来たりして、折角のピクニックもわが家の庭でする始末、そこへ茶刈夫人が来て、テレビのクイズ番組に一緒に出場しないかと誘い、ユリ子にせがまれて出場した一同は優勝した女性軍の賞金で、なごやかな雰囲気にひたるのだった。次の日、会社では山貫社長が社員一同を集めて、新生活運動に沿っていっさいの虚礼廃止、倹約質実剛健を旨とすべしという訓示をしていたが、その席上、茶刈夫人考案のハンカチが社長のお目にとまり、茶刈君は大いに面目を施した。ところが、その茶刈君が帰宅すると、春子が真珠の指環を売りつけられているではないか。それでは新生活運動の主旨に背くと、後輩の茶の木君に頼んで売って貰ったが、めぐりめぐって、茶刈君が買うことになった。ある日、茶刈君と宇刈君は別別に社長に呼ばれ、課長が転勤するので後任課長の相談があり、そのついでに社長の愛人〆奴との手切れの尽力を頼まれた。そこで二人は暗躍を開始するが、後任課長の椅子を狙って、宇刈、茶刈両夫人の間に冷たい戦争が始まったことはいうまでもない。しかし、その後任課長は春山君ときまり、宇刈、茶刈の両君には特別ボーナスが支給された。正月の休みに、両家が伊豆へ出かけたのは、そのボーナスのおかげといえよう。