君美しく

劇場公開日:

解説

田井洋子と佐々木恵美子の原作を「暴力街(1955)」のコンビ、井手雅人と瀬川昌治が共同脚色し、「あこがれ(1955)」のコンビ中村登が監督、生方敏夫が撮影を担当した。主なる出演者は、「絵島生島」の淡島千景、高橋貞二、「忘れじの人」の岸恵子、「あこがれ(1955)」の野添ひとみ、「裏町のお嬢さん」の菅佐原英一、「花ひらく(1955)」の桂木洋子、新人船山裕二など。

1955年製作/92分/日本
原題または英題:Beautiful Lives
劇場公開日:1955年12月28日

ストーリー

兄の一郎が太平洋戦争で南海に散華したあと、田代真紀子は妹の茜とデパートに働き、老母や弟俊二の一家を支えていた。ある日、偶然にも茜の売場へ買物に来た日航の操縦士国友明彦は、一郎の旧友で、真紀子にとっては曽ての意中の人だった。その頃、課長と争って会社を辞めた俊二は、早川という男の世話を受けながらキャバレーで働いている篠原彩子と知り合うが、彼女こそは亡兄一郎の愛人であった。隣家に住むバーの女みどりから俊二の失職を聞かされた真紀子は、泣いて弟を責め、姉弟の間には深い溝ができてしまった。そして、家を飛び出した俊二は彩子のアパートに走り、明彦の斡旋で飛行場の整備員として働くことになった。一方、明彦と茜の仲も進んだ。茜がスチュアーデスの合格祝いで帰宅がおくれた夜、姉妹は激しくいい争うが、真紀子は茜の恋人が明彦だと判って愕然とした。また、早川の嫉妬から俊二と彩子の関係が表沙汰となったとき、弟の身を案じるあまり真紀子は彩子を訪ねて、俊二と別れてくれと迫った。彩子は一郎との間にうまれた昌一をつれて姿を消し、怒りに燃えた俊二は「姉さんは鬼だ。兄さんの葬式の日、涙も流さずに着飾って……」と罵った。だが、そこへ訪ねて来た彩子の父から、十年間も真紀子が亡兄の子供に仕送りを続けていたと聞いて、姉の前に両手をついた。真紀子は「青春の最後の姿を見ておきたかったの」と泣くのだった。かくて、北海道に再出発を求めた俊二と彩子、昌一の第一便と写真に胸をつまらせ、明彦と茜の乗る旅客機を見送る真紀子の瞳には、この世で最も清く美しい涙が光っていた。

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