姉妹(1955)
劇場公開日:1955年4月10日
解説
毎日出版文化賞を受けた畔柳二美の小説を、「愛すればこそ」の新藤兼人と「ともしび」の家城巳代治が脚色し、家城巳代治が監督する。撮影は木塚誠一、音楽は大木正夫の担当。出演者は「おとこ大学 新婚教室」の野添ひとみ、「潮来情話 流れ星三度笠」の中原ひとみ、「お嬢さん先生」の信欣三、「天下泰平」の川崎弘子、「愛すればこそ」の内藤武敏などである。
1955年製作/94分/日本
配給:独立映画
劇場公開日:1955年4月10日
ストーリー
圭子と俊子の姉妹は、山の中の発電所の社宅に住む両親のもとをはなれ、学校に通うために、都会の伯母の家に厄介になっていた。姉の圭子は十七歳、五人姉弟の長女のせいか家庭的な大人しい性質だが、妹の俊子は三つ年下の天真らんまん型。年の割に背が低いので、「近藤のちび」すなわち「こんち」というあだ名で呼ばれていた。姉妹の伯母お民のつれ合いの銀三郎は大工の棟梁で大の酒好きである。時にはいさかいもあるとは云え、夫婦は至って好人物で、姉妹はこの庶民的な伯母夫婦に愛されながらすくすくと成長していた。俊子はある日、同級生のとしみの家へ遊びに行き、としみの姉と弟が二人共障害者なのを知って、幸福は金で求められるものでないと思った。冬休みが来て、二人の姉妹は山の中の父母のところへ帰り、久し振りで戻ったわが家で近所の青年男女と共につつましく楽しい正月をすごした。新学期が来て、姉妹は伯母の家の近所に住む貧しいはつえ一家と知り合ったり、花札とばくで伯父が警察へ連れて行かれたりするような経験にめぐり合った。やがて圭子は学校を卒業し、俊子は寄宿舎へ入った。山の発電所にも人員整理の波が押し寄せ、真面目な父親の健作は、周囲の人達の苦しい生活をはばかって、俊子の修学旅行をも控えさせたが、俊子はそうした悲しみにも耐えた。やがて圭子の嫁ぐ日が来る。俊子は姉が正月のかるた会で一緒だった岡青年と好き合っていたものと思い、ひそかに気をもむのだった。