陽気な天国
劇場公開日:1955年1月2日
解説
流行歌手近江後鄭が自ら製作主演する映画で、脚本と監督には古川緑波が当る彼の第一回監督作品である。撮影は劇映画から記録映画畑に転じていた杉本正二郎。近江と古川が出演するほか、「重盛君上京す」の森繁久蝋と三木のり平をはじめ東郷たまみ、暁テル子など。他に多くの特別出演者がある。
1955年製作/73分/日本
原題または英題:Swinging High
配給:日活
劇場公開日:1955年1月2日
ストーリー
ヒロシはアコーデオンの三平を相棒に、温泉街を流す艶歌師である。ホテルの女中おテルはヒロシの愛人だが、作曲家古賀政男が投宿したので、無理に紹介状を書いて貰い、ヒロシはそれを持って東京へ出て歌のテストを受ける事になった。だがその古賀は古賀家の書生久森で、紹介状は偽物だった。本物の古賀は同情してテストしてやったが、ヒロシの歌は近江俊郎にそっくりで個性がないと落第を言い渡され、かえって同行の妹アキ子が及第した。アキ子は忽ち人気歌手として売出したか、悲観したヒロシは一人でどこかへ姿を消した。おテルは上京して毎日ヒロシを探し求め、ついに二人は再会する。そして二人で銀座。艶歌師になったが、おテルの歌が評判がいいのに又も気をくさらしたヒロシはギターをふみくだく。アキが一流歌手にまじって歌う会場にかけつけたヒロシは、心から妹の成功を喜び、近江俊郎の歌を聞いて「あいつが居たばかりに俺は出世できなかった」と嘆いたが、おテルと二人で平和な温泉街で楽しく暮すことを考えて幸福だった。