兄さんの愛情

劇場公開日:

解説

「あんみつ姫」に次ぐ東京映画の作品で、内村直也の原作を堀江史朗と西島大(君死に給うことなかれ)とが共同で脚色し、「君死に給うことなかれ」の丸山誠治が監督する。撮影は「宮本武蔵(1954)」の安本淳、音楽は「伊達騒動 母御殿」の服部良一の担当である。出演者は「不滅の熱球」の池部良、「この広い空のどこかに」の久我美子と石浜朗、宝塚の伊吹友木子、「螢の光」の三宅邦子、「真白き富士の嶺(1954)」の江原達怡など。

1954年製作/82分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年12月22日

ストーリー

海軍中将西小路景機の遺族は、謙一、周二、耕三の三人兄弟に母の政子の四人暮しだった。謙一は堅実な勤め人で、深い理解と愛情に支えられた水原夏乃を恋人に持ち、ともすれば華美に流れ勝ちな母をたしなめていた。この家に、仙台から遠縁の娘斎藤久美子が、故郷の母の縁談を逃れるために上京し、寄宿することになった。派手な久美子のために家庭は明るくなりはしたが、彼女は謙一に媚態を見せて悩ませるのだった。だが謙一には夏乃という恋人のあることを知った久美子は、高校三年の次男周二に云い寄ろうとするのだった。久美子の強い性格は、ぐんぐん周二を引きずって行った。ある時偶々箱根に遊び、二人は遅くなって山のホテルに一泊した。二人が誤ちを犯したことを知って謙一は怒りを爆発させた。周二は久美子と共に駆け落ちしたのである。別府航路の惨めな三等船室で、肉親のふところを離れた周二は、始めて完全に悲しさに沈んだ。誰よりも周二のことを思う謙一のために、夏乃は自分の貯金を下ろし、結婚の延期を覚悟して謙一を出発させた。現実のワビしさに打ちひしがれ、別府の桟橋に降りた周二と久美子を、改札口で待ち受けていたのは思い掛けず謙一だった。周二は謙一に伴われて帰宅するが、久美子は西小路家に様様の旋風をまき起し、仙台へと去ってしまった。兄の結婚資金を使わせた償いに、周二は大切なピアノを売って、二十万円の小切手を謙一に渡した。兄弟の愛情は深く結ばれたのである。

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