重盛君上京す

劇場公開日:

解説

NHK連続放送劇「東京ロマンス」の映画化で、「半処女」の岸松雄の脚本より、「鳴門秘帖 前篇(1954)」の渡辺邦男が監督している。撮影も「鳴門秘帖 前篇(1954)」の渡辺孝の担当。出演者は「次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊」の森繋久弥、「東京シンデレラ娘」の新倉美子、「夏祭り落語長屋」の柳家金語楼、三木のり平などである。

1954年製作/91分/日本
劇場公開日:1954年6月22日

ストーリー

東北の一農村、ウタスキ村のノド自慢コンクールに優勝した重盛君は、村人達の見送りで上京して立派な歌手になるべく故郷を発った。行先は村の清ノ木旦那の友人で、浅草で中華第四楼を経営する清水六兵衛殿。重盛君の母親は東京には悪い女が多いというので、それが何より気がかりだが、前途を夢みている重盛君は女など眼中にない。しかしもともと親切な重盛君は、車中で困っていた可憐な女性光子の面倒をみるが、上野駅に着いて途方に暮れている重盛君はここで反対に遊覧バスの案内ガール光子さんに助けられ事となった。求める中華第四楼はさっぱり判らない筈、足を捧にした重盛君が偶然立寄った屋台のそば屋が第四楼であった。重盛君はこの親爺六兵衛を手伝いながら、歌に励む事となったが、六兵衛親爺の尊敬する太陽先生のもとでまた光子と会った。太陽先生は働く主婦達の為に託児所を開き、共感した光子も託児所を手伝いに来たのだ。NHKノド自慢テストに失敗した重盛君は、光子の知り合いのABCレコードの市村プロデューサーの手で、光子のヒットソングの裏面にやっと吹込みをした。重盛君は光子にプロポーズするが、既に光子は華やかな歌手生活を棄て、太陽先生と結婚して託児所に励むことになっていた。生活はロマンスではなかった。光子の信念に心うたれた重盛君も母親の居る故郷へ帰って着実な生活に精一杯頑張ることにした。

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