鳩
劇場公開日:1952年10月11日
解説
製作は「お茶漬の味」の山本武。「ハト少年」として新聞に書かれた実話から「適齢三人娘」と中山隆三が脚色し、新人監督野村芳太郎がメガフォンをとっている。野村芳太郎は故野村芳亭の一粒種で、戦後復員して助監督として働いていたもの。撮影の赤松隆司も新人である。主演者は、「息子の青春」の石浜朗で、同じく小園蓉子、北龍二などのほか、「バクさんの艶聞」の有島一郎その他の助演者たちである。
1952年製作/44分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1952年10月11日
ストーリー
三浦勇の通学する高校では伝書鳩を飼育する友人が数人いて、なかでも友田一郎の家には立派な鳩舎があった。勇は一郎の家へ遊びに行って一番の子鳩を貰って来た。勇は反対する父に、何もかも自分一人でやるからと約束して鳩を飼うことを許してもらった。その子鳩が、いつまでも馴れないので、ある日勇は一郎の家から大切な親鳩を借りて来たが、不幸それが猫に喰い殺されてしまった。責任を感じた勇は、二万円もする親鳩を弁償するため、自分が働いてお金をためようと思い、家出して、甲州の葡萄園へ働きに行った。勇の家出によって人々ははじめて彼をあまりに責めすぎたことに気がついた。数日後、勇の仲良しの綾子の許へ、一生懸命働いているとの勇からの便りがあって、人々は初めて愁眉をひらいた。そして温かい心で彼を迎えに出発した。