御存知黒田ぶし 決戦黒田城
劇場公開日:1960年5月28日
解説
伍堂徹二・関上芳裕の共同脚本を、「競艶お役者変化」の加戸野五郎が監督した娯楽時代劇。撮影は「爆弾を抱く女怪盗」の森田守。
1960年製作/74分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1960年5月28日
ストーリー
寛永十四年、天草四郎率いる切支丹蜂起の鎮圧に功あった黒田藩の槍の名手、新免新九郎は、藩主忠之から家宝「日本号」の槍を賜わり、合せて家老の娘琴路との縁組も決った。だが忠之は急死、悪家老安藤主膳は江戸屋敷にいる幼少の嫡子亀千代を排して妾腹の子松之助を擁立しようと策謀した。怒った新九郎は公儀によって大老の裁下を仰ぐ決心をした。琴路に邪恋する松之助は側室にと望んだが、彼女の父、家老柏木頼母はきっぱり断った。島原の乱で討死した兄の復讐を誓う切支丹残党の一人、千鶴は変装の身で新九郎を狙ったが、新九郎は素浪人弥平太に救われ、千鶴の正体を知った。公儀の跡目相続は松之助に決定、琴路を断った頼母は閉門を申し付けられた。新九郎は再び切り込んで来た千鶴に、兄が天草四郎をかばって自害した事実を教えた。主膳一味は頼母を斬り、琴路を拐らおうとしたが、新九郎と千鶴の手で琴路はのがれた。とある地下室で討幕の準備を進めた切支丹残党は、いよいよ江戸にのぼった。千鶴は切支丹と手を切り、黒田藩に協力することを決意した。舞台はやがて江戸に移った。主膳一味の横暴を怒る新九郎は、幼君亀千代擁立を大老酒井忠勝に直訴する決意を固めたが、伯父宮本武蔵ははやる新九郎をたしなめた。配井大老の邸附近で出会った浪人弥平太が、実は大老に仕える柳生十兵衛であると知って新九郎は驚いた。新九郎は不遇をかこつ琴路に、亀千代君家督相続の成立し次第新しい生活を始めるべく慰めた。今や柳生十兵衛の手足となった千鶴は、江戸城爆発を意図する切支丹残党の策謀を探った。そして彼ら壊滅の主力は黒田藩に下命された。十兵衛、新九郎を先頭に黒田藩士の精鋭により、切支丹は最後の一人も失って壊滅に至った。この武勲により、亀千代君跡目相続が決定。新九郎と琴路が感涙に咽んだのは言うまでもない。