地下帝国の死刑室
劇場公開日:1960年2月14日
解説
棋本捨三の『罠』を、葉山浩三・志原弘が共同で脚色、「双竜あばれ雲 (前後篇)」の並木鏡太郎が監督したもので、公安Gメンの活躍を描いたアクション・ドラマ。撮影は「雷電(1959)」の西本正。
1960年製作/75分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1960年2月14日
ストーリー
化学兵器の世界的権威・田川博士が大阪からの帰途、飛行機のなかで誘拐された。公安Gメン・秋山は博士の令嬢・早苗に兄の英治が謀略機関の手先となってこの事件に関係していることを告げ、協力を求めた。一方秋山はスチュワーデスの百合子から指名手配中の橋戸が同乗していたことを知ったが彼女はこの直後何者かに殺されてしまった。壁につきあたった秋山のもとに暗号書らしき一枚の楽譜がとどけられた。間もなくあらわれた落し主の蘭子の隣室に早苗が住んで、隠しマイクでその動静をテープに収めた。しかし蘭子も間もなく時限爆弾を車に仕かけられ爆死してしまった。ふたたび壁にぶつかった秋山はある日英治がエルバソのマダム・銀子と車に乗っているのを見つけ早苗を女給として潜入させる。ほどなく山ノ井という男が銀子をおとずれた。早速香川が張り込んだが井野に見抜かれ地下室に放り込まれた。そこで秋山は香川救出のため地下室にしのび込むが一味に発見され、自己の非を悟った英治により命だけは救けられた。しかし香川は死体となって発見された。Gメンの踏み込みにあわてた首領、川口は責任者として「エルバソ」の支配人・寺西をガラス張りの死刑室で処刑した。その直後、早苗の身もとがバレて博士がとらわれている独房に監禁された。翌日、博士と早苗の連行に失敗、そのうえ橋戸を捕えられた川口は、英治をスパイとして処刑した。そしてこれを止めようとした銀子も銃弾にたおれた。この騒ぎをあとに、川口は山ノ井と共に博士をつれて国外脱出をはかったが、どたん場で山ノ井が寝がえった。裏切った山ノ井は実は公安Gメンだった。すべてを知って秘密ルートを探ぐるためのワナだったのだ--と秋山は博士を事件にまき込んだことを早苗にわびるのだった。