博徒一代 血祭り不動
劇場公開日:1969年2月22日
解説
「妖艶毒婦伝 般若のお百」の高田宏治がシナリオを執筆し、「続・秘録おんな牢」の安田公義が監督した任侠もの。撮影は「妖怪大戦争」の今井ひろし。
1969年製作/90分/日本
配給:大映
劇場公開日:1969年2月22日
ストーリー
昭和の初期。六年ぶりに娑婆へ戻った桜田丈吉は、北陸新津に弟分の勇一を尋ねた。だが、勇一は大戸一家の代貸として羽振りを利かし、北陸一円を差配する長丸一家泉谷の跡目を狙う大戸の片腕として画策していた。丈吉が訪ねた晩、長丸一家の二代目と目される北松の子分稲三が、大戸を襲った。この一件を北松の指図と睨んだ勇一は、稲三に拷問を加え、言質を取ろうとしたが、あまりの残酷さに丈吉は本人の願いを入れて止めをさしてやるのだった。稲三の亡骸を北松一家に届けた帰り丈吉は、お園に出会った。彼女は丈吉が、渡世の義理からやむなく殺した男の妹だった。丈吉ほお園の冷たい視線をさけることができなかった。稲三の死は、北松と大戸の間に、一触即発の危機を呼んだ。北松一家の代貸小洗が、網走から帰って来たのはそんな折だった。小洗こそ丈吉が探し求めていた命の恩人だった。小洗は、丈吉が真の任侠道一筋に生きていると知って安心したが、北松と大戸一家の抗争に巻込まれることを心配していた。やがて、小洗の尽力で、北松の長丸一家二代目襲名が固まった。しかし勇一は、大戸が襲名の暁には大戸一家二代目を約束されており納得しなかった。勇一は、小洗の闇討ちに失敗すると、大戸の女お初にからみ、怒りをかってしまった。勇一は丈吉のとりなしで、破門には至らなかったが、丈吉は小洗との対決を迫られるのだった。二人の激闘は恩讐を越えて、正々堂々たるものだった。丈吉は必死の覚悟で七首を抜いたが、小洗は大戸一家の銃弾に倒れてしまった。丈吉は小洗の最後の言葉に、北松の盃を受ける決心をした。長丸一家襲名披露当日、取持人の杉谷が大戸に買収されて現われず、丈吉がその名代を務めた。丈吉が、大戸一家の汚い仕打ちに腹をすえかね、大戸一家を倒したのは、それから間もなくのことだった。