BG・ある19才の日記 あげてよかった!
劇場公開日:1968年11月2日
解説
才賀明と山崎巌が、週刊女性に投書された身上相談をヒントにシナリオを執筆し、丹野雄二が監督昇進第一作のメガホンをとった。撮影は「孤島の太陽」の萩原憲治が担当した。
1968年製作/82分/日本
配給:日活
劇場公開日:1968年11月2日
ストーリー
日東ゴムのタイピスト鏑木敬子は、恋人の三木順造から身体を求められて困っていた。敬子の妹敏江は、結婚まではと、かたくなに身を守る姉を不思議に思っていた。一方、順造は友人の今村から、その意気地のなさにハッパをかけられていた。それから数日後、敬子は、出勤途中の電車の中で痴漢に襲われた。その場を救ったのは、彼女の上司、加納部長だった。敬子は、その時以来自分の心に忍び込んだ加納の面影を打ち消すことが出来なかった。数日後、和気あいあいの加納一家の自家用車に乗せてもらった敬子は、加納夫人、理津子の幸せそうな顔をみて一層強く加納に惹かれていった。そんなある夜、外国人バイヤーとの商談で加納に同行した敬子は、その帰りに加納の愛人ルミへの反発もあって、加納が仕事用に借りているマンションに付いて行った。敬子はそこで加納とルミとの情熱を連想して燃えたが、身体を許す気にはなれなかった。翌日、敬子は三木を誘って芦ノ湖へ行った。すべてを三木に捧げ、加納を忘れるつもりだった。だが、加納への思慕はつのる一方だった。加納からマンションのキイを預った敬子は、身代わりにプレイガールのミチを彼のマンションへ送った。翌日、加納から素敵な人を紹介してくれたと感謝された敬子は、燃え上がる嫉妬心をどうすることも出来なかった。激しい風雨の夜、敬子は愛する加納にすべてを捧げた。それから数週間が過ぎた。加納はシンガポールに飛び立つが、それは勝股など、加納反対派の策略で商談は失敗に終った。憤然と帰国した加納に、敬子は三木と結婚すると宣言した。だが、敬子は三木の前からも姿を消してしまった。愛する二人を失なった敬子だが、彼女に後悔の念はなかった。愛するからこそ処女をあげたのだ、彼女は呟きながら夕映えの海岸線を行くのだった。