陸軍諜報33
劇場公開日:1968年2月9日
解説
「大奥(秘)物語」の金子武郎と「眠狂四郎女地獄」の高岩肇が共同でシナリオを執筆し、「怪談片目の男」の小林恒夫が監督したスパイもの。撮影は「懲役十八年 仮出獄」の仲沢半次郎。
1968年製作/88分/日本
原題または英題:Army Intelligence 33
配給:東映
劇場公開日:1968年2月9日
ストーリー
昭和十五年、山本和夫は身に覚えのない罪で軍法会議にかけられ、位階勲等を奪われ、懲役刑を言い渡された。実は、これは和夫が陸軍中野学校の幹部に抜擢されたあとの手順だったのだ。和夫は肉親にそれを知らすることも禁じられ、中野学校四期生として英語、マレー語、柔道、射撃らの訓練を受けた。秋山少佐の訓練は厳しく、死者が出るほどだった。昭和十六年、訓練を終えた和夫たちは、卒業と同時にひとつの任務を与えられた。それは、日本にはりめぐらされている外国の諜報網のひとつを潰すことだった。和夫は同期生の正田とともに、ドイツの駐日通信員ハイゼを探ることになった。和夫はそのうち、意外な事実をつきとめた。和夫の妹素子の夫で新聞記者の柿沼が、ハイゼと秘かに連絡をとっている城北大学教授佐々木との間の連絡員をやっていることだった。事情を問いただした和夫は、柿沼が内情を知らずにやっていることを知ったが柿沼はその直後、何者かに殺されてしまった。柿沼の葬儀の日、和夫は佐々木に近づいたバー「ル・クレール」のマダム杏子を探り、諜報網の全貌を明らかにした。ハイゼは米人ジョンソンに情報を流していたのだった。ハイゼが自殺して事件が落着すると、和夫は北ボルネオに飛んだ。日米間の空気が悪化しているのをみて、英国軍は南方の油田に爆破装置を仕掛けた、との情報が入り、和夫は来るべき日本軍の進駐のため、油由を爆破から守る任務を持っていた。おりから日本軍の真珠湾攻撃が伝えられ、全油田に仕掛けられた爆破装置が数時間後に爆破するというとき、基地に忍び込んだ和夫は爆破装置の電源のある建物に時限爆弾を仕掛けた。その直後、英国兵に発見され、拳銃を乱射しながら逃げた和夫は、ボートで沖に出た。その時、時限爆弾が爆発し、爆破装置の建物が赤々と燃え上っていた。