殺人者(1966)

劇場公開日:

解説

原田康子の同名小説を、「新・兵隊やくざ」の舟橋和郎が脚色、「大魔神」の安田公義が監督した異色ミステリー。撮影は、「私は負けない」の竹村康和。

1966年製作/87分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年10月1日

ストーリー

洲本淳子は、銀座の画廊で見つけた絵が無性に欲しくなり父臣平に無断で四十八万円の小切手を振り出した。それは日頃から厳格な父に不満を持っていたせいでもあった。臣平は、当然、淳子の無謀なやり方を怒って、小樽市郊外にある別荘で当分の間、反省するよう命じた。淳子は北海道に渡った。別荘にはきえという年とった女中が一人留守番をしていた。周囲には家が一軒あるきりで、寂寥とした環境だった。しかし、それは淳子の気性に合っていた。絵を描いたり、散歩したりして気ままな日々を送っていたある日、車に乗っていた隣家の女真壁千穂子が淳子をひきそうになりながら嘲笑して去った。腹を立てた淳子は夜更けに真壁家に忍び入り車のタイヤをナイフで切って、家に戻った。その時、二発の銃声が近くから聞えてきた。ちょうど、きえが病気の夫を見舞いに出かけて留守だった。不安になった淳子が戸締りを確かめていると、猟銃を持った若い男が現われた。男は騎手見習白戸礼太といい、かつて共に愛を誓った千穂子を追って北海道に渡って来たのだが、そんな礼太を、千穂子は嘲笑した。カッとなった礼太は、猟銃で彼女を射ったというのだ。礼太は淳子に指一本触れず、その夜を明した。そんな礼太の態度に、淳子は真摯な若者を見た。淳子は礼太をかくまうことに決め、屋根裏の一室に案内した。きえの留守中に来た手伝いの目を盗んで、礼太に食事を運ぶ淳子は、いつか礼太に愛を覚えていた。やがて、きえが帰ってきて、礼太を偶然見た時、淳子は自分の恋人だといった。一方、警察も礼太の存在をかぎつけ毎日、淳子を訪れてきた。一刻の猶予も無駄に出来ないと思った淳子は、小樽駅に預けてあった礼太の荷物を受け出した。しかし、淳子を尾行していた刑事は、引替証から、礼太の指紋を検出し、犯人の指紋と一致することを知った。三田村部長刑事が、逮捕状を持って別荘に来た時、自分の最後を知った礼太は、猟銃を自分の咽喉に当てて引金をひいた。そして、血まみれになった礼太は、淳子に抱かれ、愛していると言うと、そのまま息絶えた。

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