ほんだら捕物帖
劇場公開日:1966年4月9日
解説
前作「ほんだら剣法」でコンビの笠原良三がシナリオを執筆、森一生が監督した“ほんだら”シリーズ第二作目。撮影は「処女が見た」の牧浦地志。
1966年製作/81分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年4月9日
ストーリー
江戸後期。さる大藩の江戸上屋敷に、お人好しで正義感に溢れた馬廻り役、目白六平太が居た。だが、この種の善人が機構の中で住みにくいのは、今も昔も変りない。六平太は、この腐り切った侍社会に愛想をつかして、気楽な稼業とばかり長屋で浪人暮しを始めた。そうしたある日、三味線の師匠お勢という年増美人が、心臓を一突きにされて殺された。土地の岡っ引、花川戸の花七親分と子分の千八は、行動の怪しい盲の松の市、太鼓持ちの眼鯨、伊勢屋の若旦那栄之助らを取り調べるが、みんな各々にアリバイがあった。そんな時、こまり切った花七親分に、眼鯨が長屋に越してきた狼人目白六平太が怪しいと告げ口した。早速花七親分は、与力の安田伸山に逮捕状を請求するが、証拠不十分で断わられてしまった。が、そうするうちに、今度は当の六平太が、松の市が怪しいと言って来た。松の市は、実は眼が見えるというのだ。早速花七親分は松の市逮捕に向った。だが、すでに松の市は殺されていた。こまりきった花七の姿をみかねた花七の妻お勝は、六平太に援助を求めた。六平太も、ふとしたことから、吉原へ売りとばされようとした娘お蔦を助け、彼女をお勝のところにあずけた手前、無下に断わることも出来ず、これを引受けた。やがて、六平太と花七のコンビよろしく、捜査はトントンと進み、長崎の廻船問屋松浦屋の番頭の刺殺事件で、関係者として浮んできた茶坊主頭の宗仙の悪事が暴露された。宗仙は松の市などを使って、高利貸や、密輸、人身売買などをやらせていたのだ。六平太と花七は、バクチ場で、常連の馬さんと宗仙が勝負をしているすきに、宗仙の悪事を記した証拠書類を盗みだし、与力に逮捕状を要請した。ところが与力の安田は、それを拒否したばかりか、逆に六平太らを逮捕してしまった。それから一カ月。裁判が始った。意外にも、この裁きをする南町新奉行というのは、馬さんこと、遠山金四郎であった。金四郎は、六平太らを釈放し、参考人として呼んであった、宗仙を、逮捕した。六平太らをたくみに利用して、宗仙の悪事の証拠を集めた末の、金四郎の英断であった。