泥棒番付

劇場公開日:

解説

司馬遼太郎の“盗賊と間者”を素材に「座頭市地獄旅」の佐藤大輔がシナリオを執筆、「若親分喧嘩状」の池広一夫が監督した新シリーズ第一作。撮影は「続・兵隊やくざ」の武田千吉郎。

1966年製作/82分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年2月26日

ストーリー

俺は泥棒番付東正横綱の日本一の大泥棒とうそぶいていた佐渡八は、左手の人差指が途中からないにもかかわらず、幕末の動乱でごったがえす大阪界隈を荒しまわり大泥棒の名をほしいままにしていた。だがある日、新選組の池田屋騒動にぶつかり、残党狩りの非常警戒にひっかかった。鬼与力と異名をとる田中松次郎に捕えられ、油をしぼられた挙句、田中の恩情で解き放された佐渡八は、田中から預けられたこそ泥の清七を預り、京都でうどん屋を開いて正業についた。佐渡八が最も尊敬する田中の十手から抜いた赤糸が彼の神様であった。一夜、近藤勇に会った佐渡八は、その度胸を見込まれ、壬生屯所前で屋台を出すことを許された。ある日、田中から言いつかった大阪娘お慶が、佐渡八と清七の面倒を見るためやって来た。並いる新選組隊士の中にあり、乱暴で尊大な五大という男は、いつも右手に弓を引く時のユガケをかけ、異様な存在であった。清七が風邪をひいたある日。佐渡八は隊士の一人から清七あての封じ文をことづかった。不審に思う佐渡八に、清七は封書を一読するや顔色を変えた。清七は実は長州藩士で、勤皇の志深い田中と連絡をとり、新選組の動静を探っていたのだった。手紙は大阪の田中らの秘密の会合を新選組が襲うとの知らせであった。お慶も田中の養女であったのだ。二人の素姓を知った佐渡八は、田中の危急を聞き、病床の清七に代わって大阪にとび、泥棒仲間の応援で田中の行方を探した。後を追ったお慶は、倒幕に情熱をかける清七よりも人間味あふれた佐渡八に強よく魅かれた。一方新選組隊員五大は、実は島破りの悪党で、長崎のオランダ倉庫を被った時、人差指をひきちぎられ、それを隠すためユガケをはめていたのだった。鬼与力田中の目がそれをのがすはずはなく、悪らつな五大は逆に田中の秘密を探り、隊を動かして襲ったのだ。田中らが倒幕資金に用意した金銀を爆薬を使って奪い、田中を殺害した五大に、佐渡八は烈火の如く怒った。佐渡八は左手の人差指のないことで、昔ぬれ衣を着せられ、長崎の町を追われた経験があるのだ。恩人の仇と復讐、佐渡八は泥棒番付けの腕をふるって、壬生屯所に佐渡八にもぐりこみ、ふくみ針で五大を殺すと、金銀を奪って、逃げるのだった。

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