狸の大将
劇場公開日:1965年7月25日
解説
「花のお江戸の無責任」の山本嘉次郎が脚本を執筆、監督した人情喜劇。撮影は「日本一のゴマすり男」の斎藤孝雄。
1965年製作/90分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1965年7月25日
ストーリー
天才ペテン師、秋山宇佐吉はある日、デパートの特売場で逃げる女スリ、浪野ナミと正面衝突し、心ならずも犯人逮捕に一役かってしまった。宇佐吉とはなじみの刑事、寿亀助からつかまえた相手がかっ払いの常習犯と聞いたナミは激怒し、釈放されると宇佐吉のネグラに乗りこんでいった。時ならぬ美女の御入来に目じりを下げた宇佐吉は、ナミと夫婦気取りで宝石店へ買物としゃれこんだ。ところがナミは宝石を持ち出したままドロンを決めこんでしまい、宇佐吉はカゴ抜け詐欺の罪でムショ送りとなった。そして数カ月、ナミはシャバに出てきた宇佐吉を強引に説得して、宇佐吉の部屋に引っ越してきた。宇佐吉と組んで稼ぎまくろうという腹だ。一度ナミにだまされたことのある宇佐吉は気がすすまなかっただが、字佐吉がホレている保育国の保母すみえにオルガンをせがまれ、ナミの申し出を承諾してしまった。ナミと宇佐吉が狙ったカモは、宝石の連び屋近藤だ。近藤が旅館におちついたところをみはからってナミがお色気攻勢をかけ、宇佐吉がその間に宝石を失敬しようというのだ。計画は成功し、宇佐吉とナミは東京へトンボ返り。ところが宝石ケースを開けてみてびっくり、中味はピストルばかり。宝石屋と思っていた近藤は実は拳銃密輸団の手先だったのだ。宇佐吉は仕方なくカバンを持って寿刑事のところに自首した。この通報を受けた密輸事件の担当警部立木は、宇佐吉をおとりにして一挙に密輸団を壊滅させようと宇佐吉をおよがせた。一方、ギャング団はそうとも知らず宇佐吉を捕えへ根城のソープランドに連れこんだ。尾行していた寿刑事は早速ソープランドに乗りこみ、悪戦苦闘の末ギャング団を捕えた。数日後、町には、逃げまわる宇佐吉を追う寿刑事の姿があった。