青春の裁き
劇場公開日:1965年4月14日
解説
青山光二の原作“鬼辰の息子”を柴英三郎がシナリオ化し「あばれ騎士道」の小杉勇が監督した青春もの。撮影は「ギター抱えたひとり旅」の藤岡粂信。
1965年製作/86分/日本
配給:日活
劇場公開日:1965年4月14日
ストーリー
城南大学の空手部員・古島菊男の父辰造は、やくざ・古島組の親分だ。菊男はそんな父・辰造の生き方を嫌ってことごとく反抗していた。そんな家庭の事情とは知らぬ同級の亘理展子は、空手を嫌いながらも男らしい菊男にほのかな慕情をよせていた。ある日菊男は、山中組の葬式に、古島組の跡継ぎとして出席した。式場では、山中組の跡目をつぐべき幼少の嗣子が成長するまでの後見人を決める人選が行われていた。年長の大熊親分からの推薦で辰造が指定されたが、新興やくざの阿久津は難色をしめした。しかし辰造は仁義をわきまえない阿久津に山中組をまかせることは出来ないと、故人の残した一千万の借金をかぶって後見人をひきうけた。一方菊男は阿久津の悪らつないやがらせを受けたが、やくざ同士の争いを嫌う菊男は、だまって引さがった。が、腹のおさまらない乾分・鉄火定は、単身阿久津組に殴り込みをかけた。これを知り、鉄火定の身をあんじた菊男は、阿久津組の溜り場、バー・ユリへ乗りこみ得意の空手で鉄火定を救いだした。しかし菊男は空手で人を傷つけたことを恥じ、自責の念にかられる毎日が続いた。そんなとき、阿久津の用心棒でボクサーくずれの十和田が挑戦してきた。空手を使わない菊男は負傷し展子の手で病院にかつぎこまれた。しかし家へ連絡するという展子の言葉に、菊男は病院をとびだした。後を追った展子は、はじめて菊男の家庭を知った。一方父・辰造は借金の返済のため盛大な花会を開いた。これを知り邪魔に入った阿久津も、菊男のために失敗し、最後の手段として、古島組に殴りこみ辰造を捕えた。あまりの悪辣さに怒りを爆発させた菊男は単身阿久津組に乗りこんだ。菊男の空手の前に阿久津組は全滅した。この乱闘で父を失った菊男は、展子に励まされて、また学業に励むことを誓った。