勇者のみ(1965)

劇場公開日:

解説

奥田喜久丸の原案を「今日もわれ大空にあり」の須崎勝弥とジョン・ツゥイストが共同でシナリオ化、フランク・シナトラと井上和男が監督した戦争ドラマ。撮影は「オーシャンと十一人の仲間」のウィリアム・ダニエルスとハロルド・リプスキン。特撮に「三大怪獣 地球最大の決戦」の円谷英二が協力。

1965年製作/99分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1965年1月15日

ストーリー

太平洋戦争の末期。ソロモン群島の孤島に戦況から見放された日本軍人数名が不安な日々を送っていた。ある日、この島の上空でエンジンをやられた米軍輸送機C46が、島の南端に着陸した。この搭乗員はC46の生き残りデニス空軍大尉、海兵隊のプレア少尉、衛生下士官のマローニらであった。この小さな島で日米互いにさぐりあう生活が始まった。敵陣の偵察に出た平野は黒木の命令に反して、米軍の罠に陥入り傷を負った。軍医も衛生兵もいない部隊で、平野の傷は悪化していった。決心した黒木は、単身米軍陣地に出向き、デニス大尉に協力を依頼した。米軍のマローニは衛生下士官で快よくこの申し出をひきうけの治療にあたった。この時黒木はデニス大尉より日本軍の敗色が濃いことを聞いた。この島の唯一の真水の出る泉は日本軍の手中にあった。日米両軍はこの泉をめぐって必死に相対さなければならなかった。そんな時この島に、ハリケーンがおそった。両軍はこの泉を守るため、一致して団結した。いつのまにか、両軍の間に休戦がかわされ、高浪を防ぐために作業が行われ、しみじみとした友愛がわいた。ハリケーンがさった後、両軍の隊員は、お互いのお国ぶりを披露し、身の上話しでお互いが平和な市民であることに触れた。しかし、その友愛が断れる時が来た。米軍の艦艇が救援に来たのだ。無駄な戦闘をさけ降伏するように諭すデニス大尉に、黒木は日本軍人として祖国に殉づることを告げた。かくてデニス以下の米軍と黒木以下の日本軍は銃火を交えた。日本軍全員戦死。米軍もデニス、プレア、マローニを残して虚しい戦いは終った。デニスたちが引揚げた孤島に、日章旗が友愛の印として風にはためいていた。

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