竜虎一代

劇場公開日:

解説

岩下俊作の原作を「日本侠客伝」の村尾昭が脚色「銃殺」の小林恒夫が監督したやくざもの。撮影は「ならず者(1964)」の林七郎。

1964年製作/99分/日本
配給:東映
劇場公開日:1964年9月23日

ストーリー

明治二十四年、時の流れにのって、北九州の遠賀川にも鉄道が敷設されようとしていた。が、船で石炭を運んでいた川船頭たちは鉄道が敷かれるとメシの喰い上げになるので、強硬に反対した。また、そのために、幼馴みであった鉄道側の松橋組社長松橋と川船頭親方石岡とは仲違いをしていた。そんな折も折、石岡が暗殺された。そんなところへ、国外脱出をもくろんで、東京から流れてきたやくざ、草刈信次郎がやってきた。彼は、自分の親方と不義の仲にあった女房を刺殺して警視庁刑事三杉に追われて、東京から逃げてきたのだ。草刈は松橋が刺殺された現場に居合せたことから、松橋の娘雪子と松橋組組頭宮川のすすめでそのまま松橋組の居候となった。草刈は鉄道工夫の仕事にしだいに生甲斐を感じるようになっていった。そんな草刈に、酒亭ひさごの酌婦北島くみは惚れていった。一方石岡組組頭縄手清治と雪子は、親同士も認めた恋仲だったが、松橋が死んでから雪子は縄手を避けるようになった。証拠は無くとも父松橋は石岡組の手で殺されたのだ。雪子は縄手に挑戦するように鉄道敷設に力を注いだ。松橋が死んでも、鉄道工事は一向に衰えをみせない。あてがはずれた石岡は、一気に工事を破壊しようと、工事現場にダイナマイトを仕かけた。これに反対する縄手は雪子にその事を教えた。が時すでにおそく、火薬は爆発し、居合せた弟新一は命を失った。松橋のみならず、弟新一まで失った雪子の悲しみは大きかった。そんな雪子を見て怒りに燃えた草刈は、石岡に迫った。が、そこに縄手が立ふさがった。草刈の刃は縄手を倒した。鉄道も無事完成した。草刈は刑事三杉の前にだまって両手をさし出すのだった。くみの眼が涙に光っていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5ヤクザ映画で本格的な特撮シーンは珍しい

2023年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

興奮

原作は「無法松の一生」の岩下俊作。明治24年、鉄道建設に反対する石岡組・川船頭たちと、鉄道工夫・松橋組たちの争いに、東京から流れてきたやくざ、草刈信次郎(鶴田浩二)が絡む。草刈(鶴田浩二)に惚れる酒亭の酌婦くみに佐久間良子、草刈を追う刑事・三杉に加藤武ほか、天地茂、藤純子、千葉真一など魅力的なキャストが揃い、ストーリー(脚本・村尾昭)も面白い。監督は東映社会派アクションのルーツ小林恒夫。デビューした深作欣二や降旗康男ほか東映の後進監督たちに多大な影響を与えたという。私の好きな特撮シーンの一つに、鉄橋が爆破され、機関車が川に落ちる、東映特撮の重鎮・矢島信男のリアルな特撮シーンがあります。役者との合成が上手くいって意表をついた爆発になっており、ヤクザ映画で本格的な特撮シーンは珍しい作品です。CS放送をDVDに録画して鑑賞。

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papatyan