非行少年
劇場公開日:1964年10月3日
解説
「ギャング同盟」の佐治乾と河辺和夫が共同でシナリオを執筆、新人河辺和夫が監督したドキュメンタリードラマ。撮影は「川っ風野郎たち」の井上莞。
1964年製作/85分/日本
原題または英題:Classroom Renegades
配給:日活
劇場公開日:1964年10月3日
ストーリー
区立陽城中学には、通称番長と呼ばれる河上を中心に、三年A組の宮田、根本、B組の井上という不良グループがあった。番長のバックには、街のヤクザがひかえて、誰一人たち入ることは出来なかった。授業中に、居眠りをしたり、煙草をもて遊ぶのは、彼等にとって進学戦争の中で、勉学に励む級友への、抵抗でもあった。そんな彼らを冷たい教師の間に立って、なんとか立ち直らせようとするのは、番長の担任のA組主任柿田であった。やがてB組に転校生大賀がやって来た。大賀は前の学校で番長をつとめ、“保護歴三回、担当教師を刺傷”という肩書きをもって、河上と対決したが、遂に河上が番長の地位を守った。五人の番長グループが誕生した。彼らは互いの結束のもと、冒険に満ちた行動をくり返した。万引、睡眠薬遊び等だ。やがて受験が迫って釆た。学校は必死の体制に入った。井上、大賀も進学の重荷を背負って、机には向ったが、遅れた学力は取り戻すことはできなかった。家庭も学校もつまらない彼らのやりきれない気持は、彼らだけの隠れ家を持つことでいやされた。金にこまると街頭でゆすり、級友から金をまきあげる。こんな中に入って、教員間でも柿田は指導の誤りを指摘され苦境に立っていた。それを知った五人グループは、反対に進学指導の旗頭、吉野教師を、鉄棒で殴り、暴行を働くことで、うっぷんを晴らした。その夜、パトロール中の巡査に見つかったグループは、大賀は転校河上は家裁送り、他の三人は釈放とグループは解散した。陽城中学では、この事件について会議を開いたが結論は出なかった。河上らの処分がきまって一週間のちのある日、柿田は繁華街で万引をする不良グループに出くわした。それが陽城中学の二年の矢部を中心とするグループだと知った時、柿田は愕然とした。番長制度は、陽城中学の中に伝統として残ってゆくのだ……。