黒の挑戦者
劇場公開日:1964年4月4日
解説
島田一男の「屍蝋の市場」を「地獄命令」の松浦健郎と「黒の駐車場」の石松愛弘が共同で脚色「囁く死美人」の村山三男が監督したアクションもの。撮影は「末は博士か大臣か」の渡辺公夫。
1964年製作/83分/日本
配給:大映
劇場公開日:1964年4月4日
ストーリー
青年弁護士次郎が、取乱した女性の声で、事件の依頼を受けたのは、真夜中のことであった。次郎がかけつけた時東野文江というその女は、異常妊娠の病名で死体となっていた。だが、次郎は、そこから事件の嗅いをかいだ。翌朝文江の倒れていた地点から、遠くない永楽ホテルの一室で、死体のない事件に遭遇した。ベッドには致死量とみられる血が流れていた。この事件と文江の死に深い繋がりがあると睨んだ次郎は、文江のバッグの中にあったパーティ券を頼りに、ハイソサエティーの集りである、箱根の山雨楼へ行った。そこで常連のマダム婦貴子から、文江が庵谷樹一という役人とつきあっていたことを聞き出し、夜の再会を約して別れた。その夜、次郎は、このパーティの主催者である山雨楼社長宝城竜子の妖しい美しさに油断のならないものを感じた。深更、婦貴子は次郎を迎える前に何者かの手で殺害された。事件は複雑さを呈して来た。果して、竜子からの呼び出し電話で、部屋を訪れた次郎に、竜子は、拳銃をむけて迫った。一方助手の金丸京子は、庵谷の周辺を洗ったが、永楽ホテル支配人の容子から、文江を殺害したのは庵谷であることの確証を握った。出世の妨げとなる文江は子どもを身ごもったまま、殺されたのだ。京子の連絡を受けて、庵谷の後を追って那須に来た次郎は、竜子に石の茶屋と称する岩風呂に連れこまれた。そして、そこには、騙されてつれこまれた京子が、女の競り市と称して、並べられていた。絶望とみられた時、前もって次郎から連絡を受けた板津刑事の出現で、京子を救い出したものの、次郎にピストルをつきつけた男があった。彼が顧問弁護士をする貿易会社社長表川天童だ。すさまじい拳銃戦のあと、次郎は渾身の力をふりしぼって、悪の一味へ挑戦していった。