俺は地獄の部隊長

劇場公開日:

解説

紙屋五平原作を「波止場の賭博師」の山崎巌と佐藤道雄が共同で脚色、「海の鷹」の古川卓巳が監督したアクションもの。撮影はコンビの伊佐山三郎。

1963年製作/93分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年4月28日

ストーリー

敗戦も間近い昭和二十年、北支の安平城に本部を持つ日本の歩兵大隊は八路軍の猛攻にたじたじとなり転進をはじめていた。安平城を守る三つの砦のうち二つが全滅し、第三砦も桂木少尉が援軍を求めて飛び出した直後砲撃を喰い、通称忍びの源と発狂した飯塚守備隊長を残すのみとなった。桂木は五人の兵士と途中危機を救ってくれた佐々木少尉共々やっとの思いで辿り着いたが、残り少ない食糧と弾薬は三日ともつものではなかった。翌朝、佐々木は忍びの源ら六人を偵察に出すと桂木を呼びつけ、拳銃を構えながら「弟の仇!」と迫った。半年前、桂木の部下だった弟はゲリラ隊に武器の横流しを計り、その現場を桂木に発見され発砲したので止むなく射殺したのだった。しかし佐々木は一人の目撃者から正反対の話を聞いていたので桂木の言葉に耳を貸そうとしなかった。突然おこった八路軍の銃声で決闘は中止され、偵察の四人が駈け込んで来、源と一人が捕まったという。桂木は一人敵の陣地に潜り込むと火薬庫を爆発させ、どさくさに紛れて二人と牢にいたリカという娘を救い出した。リカを見た佐々木は弟殺しの目撃者は彼女だと呟やいた。翌朝まだ皆が寝ているのを確めて、リカは八路軍に信号を送り、地下のダイナマイトに火をつけた。彼女は肉親を皆日本兵に殺されゲリラの手先となったのだ。この時飛びこんで来た桂木と赤鬼は真相を知り、導火線に飛びついたが、早くも八路軍の一斉砲撃が始まっていた。またたく間に砦は白煙と砂塵に包まれ、五人の兵士たちは次々に戦死し、降服をすすめに飛び出して来たリカも弾丸に当って倒れた。今は誤解も解けた佐々木と桂木は最後のタバコを分けあい、再び始まった敵弾の中に消えていった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5小林旭がカッコいい、「アラモ」っぽいお話し

2023年7月10日
iPhoneアプリから投稿

モノクロ映画ではあるが、中々魅せます。 「小林旭ってカッコよかたんだなぁ〜」って思った。 こういう潮流が、チョウ・ユンファのイメージなんかに繋がって行ってる感。 ストーリー的には、主人公が中盤まで破天荒な活躍で単身敵陣に潜入して部下たちを救出したりの見せ場が展開するので、てっきり最後も切り抜けて生き延びるかと思いきや。 直接的な最後の描写は避けているものの、どう考えてもあれで「砦全滅」状態と思います。 要するに「アラモ」の日本版っぽい。 スケールとしては結構な印象なのに、ストーリー展開的にはやや雑というか、ちょっと作りが甘い感じなのが惜しい。 最後の敵の総攻撃に対する、全員での機関銃打ちまくりシーンは当時としては可成りのものかと思われる。 結構、サム・ペキンパーとか、特にジョン・ウーなんかにに影響を与えてそうです。 「ワイルド・バンチ」なんかにその遺伝子が見出せる気がしますね。

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アンディ・ロビンソン