墨攻

劇場公開日:

解説

92年~96年まで、小学館“ビッグコミック”に連載していた同名人気漫画を日中韓+香港の合同プロジェクトで映画化。2000年以上も前の中国に存在した、自ら攻撃を仕掛けることはなく、守るための戦闘「非攻」を掲げた戦闘集団“墨家”。そのメンバーの1人である革離(かくり)の活躍を描く。監督・脚本は、「流星」のジェイコブ・チャン。主演のアンディ・ラウ他、韓国を代表する名優アン・ソンギら中韓キャストが共演。日本からは阪本善尚(撮影)、川井憲次(音楽)らが参加。

2006年製作/133分/中国・日本・香港・韓国合作
原題または英題:A Battle of Wits
配給:キュービカル・エンタテインメント、松竹
劇場公開日:2007年2月3日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0「墨守」の語源となった思想集団「墨家」

2023年12月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

怖い

興奮

知的

日本のマンガ原作を中国で実写化。
主演は『インファナル・アフェア』のアンディ・ラウ。

【ストーリー】
時は紀元前、古代中国の戦国時代。
長年大国魏と争っていた趙が、はざまの小国梁城に攻め込んでくる。
趙軍を率いるは巷淹中将軍、歴戦の将であった。
開城を迫られ慌てた領主・梁渓が墨子に助けを求めるが送り込まれた援軍はたった一人、革離(アンディ・ラウ)というみすぼらしい男のみ。
だがこの革離、墨守思想の体現者であり専守防衛のスペシャリスト、領主から引き継いだ城内統率権をフル活用して圧倒的大軍の趙を寄せつけぬ活躍をみせる。
領民の思想から生活までを大改造し、梁城は日に日にその防衛力を確固としてゆく。
籠城戦が長引くにつれ絶望的な戦いに光明が見えてくるが、最大の敵は戦いから隔離された城内部の放蕩と油断であった。

原作は日本のマンガという触れ込みですが、そのマンガの原作は酒見賢一の歴史小説『墨攻』というからややこしい。
ストーリーもマンガ後半のオリジナル部分はバッサリとカットしたせいで、小説版とほぼ同じだからまたややこしい話です。
実はこの原作小説、ジブリ企画押井守監督で一度アニメ化の話があったそうですが、ブレストの段階でスタッフの意思統一ができずに実現には至らず。
押井版『墨攻』見たかったなあ。
直木賞にもノミネートされてたんですけど、なんでこの小説が取らなかったのだろう、と受賞作を並べて首を捻ったりするのも原作ファンの醍醐味。

酒見賢一のアニメ化作品といえばデビュー作『後宮小説』をメディア化した『雲のように風のように』がありました。
長くつづいていた新聞小説の『陋巷にあり』はラストが尻切れトンボでしたが、孔子の弟子顔回を主人公にした志怪伝奇モノという野心的なジャンル小説でした。
表紙も諸星大二郎ですし、妖怪モノがお好きな方におすすめです。
その後『周公旦』や諸葛孔明を題材にしたギャグ小説『泣き虫弱虫諸葛孔明』など話題作をものにしています。
全キャリアの中でも特にこの『泣き虫弱虫諸葛孔明』がひどくて、孔明の若いころのの資料がないのをいいことに、仙人のコスプレした諸葛孔明が自分の出世の道筋を立てるため嫌がる徐庶を売りだしたり、
資料がないのをいいことに変人の龐統を自分とセットで臥竜と鳳雛として売りだしたり、
資料がないのをいいことに黄氏を嫁にイチャイチャしながら怪しげな木人マシーンを作って料理させたり、
資料が(略)えらい動きが自然だなと思ったら実は木人の中身に弟の諸葛均を仕込ませてたり、
思いつきで孔明をブチ殺しにくるアホアホコンビの関羽と張飛を止まらぬ弁舌と溢れる涙でケムに巻いて追い返したりと、ちょっぴり破天荒な内容です。超オススメです。
あと周公旦ってしょこたんに似てるよね。音が。

少し前に作者逝去の報道(2023年11月7日)を受け、大変残念に感じております。
謹んでご冥福を祈ります。

コメントする 1件)
共感した! 2件)
かせさん

4.010万の大軍を誇る趙を撃退した革離は梁の兵士や民衆の心を掴む。 革離に嫉妬した梁渓は革離を謀反者として捕らえるよう命じる。 刘德华が牢にいる范冰冰を見つけられなかったのが可哀想で残念だった。

2022年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

萌える

動画配信で映画「墨攻」を見た。

劇場公開日 2007年2月3日

2006年製作/133分/中国・日本・香港・韓国合作
原題:A Battle of Wits
配給:キュービカル・エンタテインメント、松竹

刘德华
范冰冰
王志文
呉 奇隆
崔始源
安聖基

監督、張之亮は「ツインドラゴン」の監督

原作は小学館ビッグコミックに連載していた同名人気漫画。

今から約2400年前の紀元前、小国・梁は大国・趙に攻められていた。

梁は墨家に助けを求める。
墨家からたったひとりでやってきたのは革離(刘德华)だった。

たった4000人の民で、10万の大軍を誇る趙を撃退した革離はやがて梁の兵士や民衆の心を掴む。

その革離に嫉妬した梁渓は革離を謀反者として捕らえるよう命じる。

刘德华が牢にいる范冰冰を見つけられなかったのが可哀想で残念だった。

満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ドン・チャック

3.5名作漫画の映画化

2021年6月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

漫画版とはまた違う二枚目革離。
音楽がいい、と思ったら、また川井憲次さん。すごいな。

弓矢の青年、子団(しだん)もカッコ良かった。

ファン・ビンビンには、ややイライラ。
新少林寺でも水攻めされてたな!

なんで奴隷さんはうまいこと靴を届けられたんだろ。女性だけでもいっぱいいるだろうに。
敵も味方もたくさん死んで、なんて気が休まらない時代なんだろう。

コメントする 1件)
共感した! 1件)
osinco

3.0ラストはスッキリしないので覚悟。

2021年6月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

興奮

原作は未読で内容は薄く知っている程度。要するに『雇われ軍師が城を守る』のだが、軍勢の演出が上手く、優勢と無勢の心情、攻め手と守り手のわかりやすい表現が絶妙。

【レッドクリフ】の孔明の様に容赦無く、敵を智略で少数圧倒するのを期待してると、かなりデカめの肩透かしを喰らってしまう。

墨攻では、敵に対しても常に慈愛に満ちていて、ただひたすらに城と民、人々を守る為に動く。戦争とは何たるかを問う、交渉術も見処。

革離のストイック過ぎる墨家の兼愛と非攻。ここが本作の主軸で、物語の肝になるが、逸悦に惹かれていき、次第に心を開いて、時折見せる、普通の人らしさにグッとくる。

【新少林寺】で一目惚れでファンになった、ファン・ビンビンも逸悦役で出演。原作には出てこない様なので、出演の意味、ここでの革離役アンディ・ラウとの共演も、楽しみ方の一つ。

巷将軍の気持ち良い程の軍人然とした潔さ、こういう武将、将軍に恵まれなかった梁。そして梁王の暴政からの結末には納得だが、最後に見える形で描いて欲しかった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
アル