河内風土記 おいろけ繁盛記
劇場公開日:1963年4月21日
解説
週刊新潮連載・今東光原作を藤本義一が脚色、「ハイハイ3人娘」の佐伯幸三が監督した風俗喜劇。撮影もコンビの梁井潤。
1963年製作/96分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1963年4月21日
ストーリー
ここ河内平野の中野集落はおいろけの天国である。後家のお久仁の家には、ブラシ工場主の豚の毛はんがこっそり通い、中風でねているお品は嫁をほしがる馬鹿息子のパア太郎と口論がたえない。井尻先生の教え子の一人である翠は、太陽理髪店に務めているが、常連のブローカーの黄、セールスマンの良松、八百屋の視爺村雲などは、彼女に好色な眼をむけている。ところがこの集落に一大事件が持ち上った。天台院の今野東吾和尚に土地の無料提供を受けた女医の椿菊子はイカス美人だが、営業妨害と産婆のおりんを先頭に住民達が大騒ぎをするため、菊子を支持する東吾和尚は一同の信任を失い、村の相談役は伊之助親分の手に移ってしまった。村人達が生娘と思っている翠は、実は義父に辱しめをうけ家出している身だが、井尻先生を慕っている。しかし、井尻先生と高級生だった京子の仲を早合点した翠は河内を飛びだしてしまった。そんな頃、豚の毛はんが、お久仁の家を抵当にしてバクチに負けたためお久仁は家を出なければならなかった。ちょう度、妊娠していたお久仁は菊子に救われ、お品の家におかれることになった。東京へ出張した井尻先生は、帰途大阪駅でポン引きをしているおりんに会い、翠がコールガールになっていることを聞いて、翠のアパートに乗り込み、彼女を強引に河内へ連れ帰った。いまは、諸事万端が伊之助親分の手におえなくなり、集落の相談役がまた東吾和尚の手にもどってきた。天台院の一室で集落の住民を集めた東吾和尚は、パア太郎とお久仁を一緒にさせ、豚の毛はんには今後、二人の生活の面倒をみせるなど、イキな裁きをつけるのだった。そんなところへ、コールガール・クラブの使者金次がのりこんでくるが、東吾和尚にかかっては金次も青菜に塩、逆に更生を誓わされるしまつだ。おりんも大阪からもとの古巣にもどって来た。中野集落も、またもとの平和で純朴でケタタマシイ生活にもどった。天台院では、住民達に金次までが加わってドンチャン騒ぎ。翠の明るい顔もその中あった。