恋と十手と巾着切
劇場公開日:1963年2月17日
解説
山中貞雄原作から「ちいさこべ」の野上龍雄が脚色、「素っ飛び二人三脚」の井沢雅彦が監督した喜劇時代劇。撮影は「豪快千両槍」の古谷伸。
1963年製作/66分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年2月17日
ストーリー
跡見ずの三次は江戸のテンピラ掏摸だ。目明し鉄五郎は、三次を堅気にして恋仲のお絹と添わせてやりたいと思っている。ある日、三次はみなし子の勝坊と知り合って家まで送ってやるが、そこはお絹の住む長屋だった。そこでは仕官の道を求める浪人大原又兵衛、駕籠屋の伊太、弥太らが勝坊の面倒を見ている。三次は道で狼人の懐中から仇討ち免状を掏ったが、てっきり手形と思い込んでお絹に預けた。しかし、その手形は女掏摸お吉に盗まれてしまった。数日後、鉄五郎に追われて逃げる最中、三次は掏った印籠をそばの塀めがけて投げ入れた。偶然それを拾ったのは又兵衛だ。しかも、生活に困って自分の印籠を売った帰りのできごとだから、世の中は面白い。その頃、お吉は盗品さはきの源爺から、例の手形が仇討ち免状だと教えられた。三次への復讐のため、お吉は五千両の手形だと偽ってお絹にそれを渡した。棚倉伝八郎を仇と狙う鵜飼三四郎は免状がないのであぶなく捕まるところを三次に助けられた。仇の目印である印籠さがしが始まった。勝坊を訪ねた三次は、又兵衛の腰の印籠に眼を光らせた。仇の居所は判った。あとは仇討ち免状を探すことだ。酒を飲みにきた棚倉一味はわるさをする中、お絹の懐中の免状に気がつき、三四郎の行方を白状しろと責めた。三次は勝坊を三四郎のもとへ走らせた。ところが、当の三四郎と又兵衛は誤解がとけて一膳めし屋で仲よく飲んでいた。棚倉一味からお絹を救おうと、三次は夢中でおどり込んだ。勝坊の注進で三四郎と又兵衛が駈けつけ、大乱闘のすえ棚倉は三四郎の太刀を浴びてのけぞった。自分が掏摸を働いたため、他人に迷惑をかけたことを知った三次は、いさぎよく鉄五郎のお縄をうけた。お絹の顔は日本晴れ。