誘拐(1962)
劇場公開日:1962年2月4日
解説
高木彬光原作を「右門捕物帖 卍蜘蛛」の高岩肇が脚色。「続 悪名」の田中徳三が監督したミステリーもの。撮影は「うるさい妹たち」の小林節雄。
 1962年製作/93分/日本
配給:大映
劇場公開日:1962年2月4日 
あらすじ
井上金融の社長宅。一人息子の節夫が誘拐されたという報せに家中は騒然とした。この家の主、庄蔵は、自分の一族の犠牲の上に立ってあくらつな金貸しを営む強欲な男であり、家族たちからは勿論、取引関係者や他人からも憎まれていた。金を目あての誘拐か、それとも他の目的……で。強欲な庄蔵もさすが一粒種の節夫のために、金に糸目をつけずに必死の捜索をつづけるのだった。同時に、疑惑の眼は家庭の内部にも向けられざるを得なかった。それほど井上家は複雑なのだ。同居の家族には、バーの女から井上の後妻におさまった妙子、その妹の光子、昔から井上家のお手伝いとして住んでいる稲と庄蔵との間にできた子供の定夫、それに庄蔵の腹違いの弟の卓二。それぞれ利害関係から庄蔵に対して憎しみを抱いていた。やっきとなる庄蔵一家をしりめに、犯人は巧妙な方法で脅迫を続けた。そのやり口は実にぬけ目がなく、木村事件として世をさわがせた誘拐事件の失敗点をことごとく知りつくしている様子だった。犯人の誘拐した目的もいまだに判然としない。そんなある日、ついに犯人からの速達が舞い込んだ。一千万の金を入れたトランクをさげた卓二の前に現れたのは若い女だった。タクシーに乗った女を追跡する卓二。とうとう女を見失った卓二は庄蔵から罵倒を浴びせられるのだった。翌日、その女も何者かに殺害され死体は道端に捨てられてあった。これで捜査陣も壁につきあたり、事件は迷宮入りになりそうだった。そんな時、光子の依頼で登上したのが木村事件の弁護を担当した百谷弁護士だった。木村事件を研究し完全犯罪をたくらんだ犯人は、百谷の明察により次第に追いこまれた。すべては義兄の財産をねらってたくらんだ卓二の犯罪だった。節夫は、すでに卓二の手で殺されていた。卓二の入念に計画された完全犯罪もすべて水泡に帰したのだった。
スタッフ・キャスト
-    百谷泉一郎宇津井健 
-    妻明子万里昌代 
-    井上庄蔵小沢栄太郎 
-    妻妙子中田康子 
-    弟卓二川崎敬三 
-    島崎光子渋沢詩子 
-    山本稲倉田マユミ 
-    山本定夫当銀長次郎 
-    広津保富大瀬康一 
-    朝比奈友田輝 
-    谷岡春本富士夫 
-    河守中田勉 
-    森山課長伊東光一 
-    榎本警部補高松英郎 
-    深谷刑事原田玄 
-    矢田部刑事藤山浩二 
-    加藤刑事此木透 
-    宮下刑事小原利之 
-    今井刑事井上信彦 
-    菊地刑事石井竜一 
-    須貝刑事網中一郎 
-    原浩一北原義郎 
-    岡山敏雄片山明彦 
-    丸根欽司村上不二夫 
-    丘たみ子八潮悠子 
-    荒巻裁判長遠藤哲平 
-    高岡検事根上淳 
-    木村繁房杉田康 
-    尾山たか瀧花久子 
-    尾山敏幸仲村隆 
-    時田英子市田ひろみ 
-    近藤巡査花野富夫 
-    吉田飛田喜佐夫 
-    十二社付近の主婦A竹里光子 
-    十二社付近の主婦B松村若代 
-    十二社付近の主婦C楠よし子 
-    小川運転手酒井三郎 
-    中年の男竹内哲郎 
-    女事務員三浦友子 
-    井上家の女中園敦子 
-    田舎の青年三角八郎 
-    時計売りの男阿部脩 
-    酒屋の店員志保京助 
-    電気屋佐山真次 
-    記者松本幹二 
-    廷吏杉山明 

 
   
  
  死に花
 死に花 
 




