大人と子供のあいの子だい
劇場公開日:1961年7月15日
解説
中学生・渡辺照男君の日記の映画化で、岩田重利と米山彊が脚色し、「警察日記 ブタ箱は満員」の若杉光夫が監督した。撮影も「警察日記 ブタ箱は満員」の井上莞。
1961年製作/69分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年7月15日
ストーリー
平井明夫は下町の中学三年生だ。父親の国造は小さな工場の工員、母親のマサは内職、姉の加代はやはり工員をしている。国造は毎日酒ばかり飲み、競輪、競馬にうつつをぬかしていた。明夫の学校で、生徒会の役員選挙があった。明夫は友人から推されて立候補し、役員に選ばれた。親友の杉下京一が喜んで家へ誘った。その晩、京一の家で明夫は楽しくすごした。京一は明夫に坂口智佐子が好きなんだろうと言った。国造の働いている工場がつぶれた。加代も無理がたたって病気になり、療養所へ入った。が、明夫はいじけなかった。高校入試模擬テストは全国でも優秀な成績をとった。昼間働いて夜間の高校へ入るつもりで一生懸命勉強した。担任教師の田口先生と京一の父親の洋介が相談した結果、明夫を京一の家に預って勉強させようということになった。二人ははげましあって勉強し、見事合格した。姉の加代がいる療養所へ駈けつけた。しかし、加代は明夫に、自分のことばり考えて家のことを考えないエゴイストだと叫んだ。明夫は働くことにした。駅前で売店を手伝っている智佐子に会った彼は、臆することもなく、肩をあげて改札口を入っていった。その夜の日記には、「俺は未来に希望をもつ。どんなことがあって負けるもんか」と書いてあった。