東海道非常警戒

劇場公開日:

解説

宮川一郎と藤島次郎の共同脚本を、「中乗り新三 天竜鴉」の山田達雄が監督したアクション・ドラマ。撮影は「怪猫 お玉が池」の河崎喜久三。

1960年製作/82分/日本
原題または英題:The Last Betrayal
配給:新東宝
劇場公開日:1960年12月10日

ストーリー

部長刑事山内一郎が休暇を大阪で過す間、彼の現われるところ必ず事件ありと、週刊トップ社の川島京子は附纏ったが遂に何事も起らなかった。ところが、帰京の列車の中で山内と京子と鉄道公安官の高木が雑談中、東山産業社長令嬢美智子が兎唇の男に父の言附と言われて横浜駅で下車していった。東京駅で迎える女中千代は美智子の姿が見えないので公安室に届けた。東山社長は以前に脅迫をうけた安岡組の仕業とみて警察には秘密にした。高木の恋人安子は、女中の千代を味方に引き入れ、犯人から一千万円の脅迫電話があったことを知った。しかしその千代は、東山が秘書の村井と相談して犯人と新宿で会うと高木に知らせるが、帰途フォードに轢き殺された。それを知った山内は新宿で待ち伏せるが、スクープを狙った京子のため犯人に逃げられてしまった。その頃、廃工場に監禁された美智子は発熱し、医師塚本が連れてこられるが彼も一緒に監禁されてしまった。警視庁ではフォードが安岡組のものであり、安岡組の元幹部で組を迫出された加島が乗り逃げしていることを知った。こちらの動きが余りにも犯人にすぐ判ってしまうので、内部に手引者ありとみた京子は秘書の村井が幼友達であることから彼に近づき、彼のポケットから手帖を奪って逃げた。その手帖から加島と村井が誘拐事件の犯人と判った。その頃は既に東山から一千万円を受け取った加島は、村井達とその金を分配すると二人を閉じこめたまま大阪へ逃げ出した。やっと脱出してきた塚本からこれを聞いた警視庁では直ちに東海道非常警戒を布いた。しかし、加島と村井はフォードを乗り捨て、かねて用意の自衛隊の服を着て大阪行き急行に乗り込んだ。山内は捨てられたフォードから、犯人達は列車に乗ったものとみて高木に連絡、熱海駅でその列車に乗り組むことになった。公安官高木の電報をうけとる態度から、このことを察知した二人は高木を列車運転室に連れ込み、熱海駅での通過を命じた。通過する列車をみて山内達は自動車で後を追った。列車運転手はこのままで十分も進むと、上り急行と正面衝突すると二人に告げた。それを運転手の嘘とみた二人だったが、浜松を過ぎた時、正面に列車をみた二人は停車を命じ、高木を殴り倒して逃げだした。しかし、山内達の乗った車がもうその二人を見つけ包囲の無線連絡をとっていた。

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