恋にいのちを
劇場公開日:1961年1月27日
解説
川内康範の週刊誌連載小説を、原作者と下村菊雄が共同で脚色し、「偽大学生」の増村保造が監督したメロドラマ。撮影は「顔(1960)」の小原譲治。
1961年製作/92分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年1月27日
ストーリー
加納清司は、父義次の友人、花田の経営する自由政治社の記者となった。一人娘いずみとの結婚話が持ち上った。だが、清司の心は重かった。雑誌の編集方針が極端に右へ傾いていることへの疑惑だった。いずみを愛することもできなかった。さらに、父の義次が行方不明になっていることもあった。たまたま、料亭猿若苑の一人娘美琴と知り合い、彼女に惹かれた。ある夜、竹林志津子と名のる女が清司の許を訪れた。「お父さまは私のところにいます。明晩終列車で甲府へ……」と言った。列車の中でようやく義次を見つけた時、義次の背後にいた男が拳銃で彼を倒した。この男は麻薬中毒者の泰助といい、意外にも美琴の父親だった。志津子がまた訪れ、義次は花田たちと麻薬の取引をしており、足を洗おうとして殺されたのだといった。清司はいずみと結婚し、花田の内情をさぐることに意を決した。美琴も納得し芸者になった。そして、自らも花田のところにとびこんだ。雑誌の売行きは悪く、経営困難になっていた。副社長になった清司は、花田に対策を迫った。花田のいう金策とは、中国人の李玉堂と麻薬の取引きを仲介する仕事だった。李は取引の条件として、美琴をもらい受けた。取引きは猿若苑で行なわれた--。