南の風と波

劇場公開日:

解説

四国西南端の小さな港に起った機帆船遭難事件を素材としたもので、中島丈博との共同脚本を、橋本忍が「私は貝になりたい」に次いで監督した。撮影は「接吻泥棒」の中井朝一。

1961年製作/90分/日本
原題または英題:The Wind and Waves
配給:東宝
劇場公開日:1961年2月14日

ストーリー

南の果ての小さな漁村。人々はその日ぐらしの漁と、大阪方面への機帆船で細々と生活を立てていた。夏の盛りもすぎて盆を迎える頃、機帆船太平丸が帰港した。雇われ船長の栄吉は、妻の富子、姑のマスノ、そして三人の子供たちに囲まれ、一家団らんの時を過した。機関長の峰男は、妻の道子、赤児の千恵子、母親のたつ、仲仕をしている弟の英次、太平丸乗組員恒男との、親兄弟六人暮し。同じく乗組員の順平は、祖父の駒治との二人暮し。順平には加代という恋人が待っていた。だが、順平は恒男ら仲間たちと酒を飲み、そのまま女を買いに町へ行ってしまった。加代は魚売りの母親松代と、弟の勇と三人暮し。松代は、加代が順平とつき合っているのを知り、不機嫌だった。翌日の晩、二人は浜で逢いびきした。順平は波の中へおどりこみ、やがて加代の前に膝まづいた。「体を清めてきた、許しょ」順平が今度の航海から戻った時、二人は結婚することを誓った。盆踊りも終り、古鉄を満載した太平丸はまた出港した。今度の航海には、菊江の息子晴久も乗りくんだ。雨が降り出し、四日間降り続いた。太平丸は大阪に着いていなかった。突風で太平丸は転覆したらしい。捜査も空しく、生存者は発見されなかった。村の公民館で、集落合同葬儀が行なわれた。加代は駒治の家を訪れ、順平の子供を宿していることを打ちあけた。「オラの血をついだ子はその子しかおらん、生んでくれ」とすがりつくように駒治は頼みこむのだった。が、加代は約束を破り、子供を堕してしまった。一方、富子の兄姉が富子の子供たちを引取ることに話が決まり、富子は身を切られる思いで子供たちと別れた。たつの家では、道子を、前から彼女に思いを寄せていた英次と結ばせることにした。それから二カ月経った。遺族たちはいつまでも悲しみに打ちひしがれてはいなかった。まさかと思った富子までが浜へ網引きに出かけていった。向う側のロクロでは、加代が棒を押していた。

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